「荒野に立つ」@ABCホール

 昨夜は、阿佐スパの「荒野に立つ」。
 す〜ごく好みだった。演劇にしか作れない時間と空間にグイグイ引き込まれて、時間があっという間に過ぎてった。
 
 逃げる・迷う・入れ換わる・探しもの・代行・不安・錯覚…
 人間の生きる姿とその影と、自分と他人との交錯と、いろんな不確実でありかつ確実に存在してしまう捉えられない残像と、そんなあれやこれやを突き付けられるようだった。
 冒頭に受けた戸惑いはあっという間に無くなって、一気に引きずられるように観てしまった。観客を眠らせない不思議な力が有った。私の周囲には、後半ずっと泣いている人が多かったけれど、何となく気持ちはわかる。私は涙は出なかったけれど、不思議な感情に揺さぶられていたような気がする。
 かずきさんが、「荒野に立つ」を観て泣いてたら森山未來に驚かれた、という夢を見たって呟いておられたけれど、思わずそれを思い出してしまった(苦笑)。Twitterで読んだときは、おもしろい夢だな〜なんだかホノボノするわ〜って感想でしたが、実際にこの芝居を観た後だと、いやあ、未見の状態でそんな夢を見てしまったかずきさんの第六感の鋭さに、ひたすらこっちが驚かされます。
 
 大阪は今日まで。当日券も有りそうでした。
 この芝居は、テレビやDVDではなく、現場で同じ空間を共有してこそなんぼ、って感じがしました。お時間の有る方は是非!
 荒野に立つ by SPIDERS INDEX