「その街のこども」まだまだ終わらない

 こんなに心が揺さぶられていつまでも考え続けてしまうドラマって、今まで経験したことがないかもしれないです。
 商業ベースのテレビドラマの前に、エキセントリックだったり教条的だったりオチが見えたり、もちろん陳腐だったり…失望することが多々あって。そんな中、役者さんがいかに底力を見せてくれるかが勝負になって、「ああこのドラマ、役者に救われたね〜」なんて偉そうに感想を言い合ったりすることもしばしばだったように思います。
 でも、このドラマは誰にも媚びることなく、震災をドラマとして描くことの意義を考え抜きあらゆる叡智を結集して、予想もできなかった地平に私たち視聴者を連れて行ってくれた。
 テレビドラマに、こんなことができるんだ……。そんな驚きに支配されもしました。もちろんNHKだからこそ、というのは大きいと思いますが…。
 
 脚本・演出・キャスト・美術・音楽……他にもありとあらゆるスタッフさんたち。どれ程の魂を捧げられたでしょう。
 音楽の大友良英さんが、克明に演奏者、曲の構成、楽器について語ってくださっています。曲への、そしてドラマへの愛に溢れていて、作品中の音楽に携わった方々一人一人の姿が浮き上がってくるかのようです。
 →大友良英のJAMJAM日記
 それを読んで、またもやプロフェッショナルな仕事への敬意で、胸がいっぱいになります。その10分もの「いかれた感じの」曲、全曲通して聞いてみたいなあ〜NHKに要望出したらサントラ出してくれるのかな〜(切実)。
 で、パーカッションというのがそんな音だったとは予想もしませんでした!あの、あの高音がそうなんですか! 「彼自身のリアルな呼吸のようなもの」を大友さんが求めた上での森山未來起用、というコメントを読んで、その着想と確信の揺るぎなさ、まさにプロの叡智に、圧倒されてしまいます。
 本当に、すごいドラマを見てしまいました…。
 
 私はもちろん森山未來のファンなんだけれど、それ以外のいろんな目でこの作品を見てしまいます。どの目が見たものをここに書けばいいのか、右往左往して……、いや何かを選択する必要なんて無いんだけれどね(苦笑)。まだまだ感想が支離滅裂で、いつもの書き方では破綻しそうです。でも、作品を毎日見続けている中で、少しづつ自分の見方が定まってきたかな?って感じもあるので、少し時間をおいて、感想をゆっくり書けるといいな〜なんて思ってはいます(どこに書くんだろ…苦笑)。
 
 何よりも、この作品を作ってくださった方々にあらん限りの敬意と感謝をささげたいです。2回目かな、ありがとうって言うの(苦笑)。でもやっぱりそうなんですよ。本当にありがとうございました!