『KING』2008-4

 未來さんは、154〜155ページの見開きに。「KING&I」の「BOOK&TV」、なのかな。
 煙草を手に廊下の片隅にお行儀悪くしゃがみ込み、本を手になぜか足元にはペットボトル。大きな靴と、折り曲げた両脚の頑丈そうな筋肉のせいで、まるで蛙のようですよ(笑)。しかしこの撮影場所、やけに「非常」の文字が目に付きますね〜。非常電話・非常コンセント・非常の際は云々…。
 クシャクシャの髪は徹夜明け?裏返ったようなタイの結び方が気になります(笑)。睫毛で影のできた目元がうるわしいけど、全体的にふてぶてしい感じが大変けっこうです。帰ってきた長友スタイリング。安心して写真から世界を膨らませていけるので好きだわ!
 記事は、うん、いいですね、年上男性によるテキストって過剰な礼賛文句が並ばないので気持ちいい。以前(2005)、『Cut』に掲載された宮嵜編集長による骨太の記事(その時の感想)も読み応えがあった。理屈っぽい文章が好きなので、随想的でな書き方より、根拠ある因果関係を含む書き方に安心感を覚えます。(キッパリ)(しれっと)という短い「ト書き」に、記事を書いた人が書く人間として彼を掴んだことがうかがえて、これも痛快だった。

 読んでてなるほどと思ったのは、「自分なりのルール」を作ること&主張することの意味に確信をもってる様と、それを自ら可能にする為にはどう在らねばならないのかを腹で納得していて、しかもヴィヴィッドな体験に基づいたことばで言語化されている、ということ。いやあ、森山未來はたいした文系人間だな、おもしろいな、なんてつくづく思いました。
 うん、久しぶりに、いい記事を読みました。