BatBoy the Musical @東京厚生年金会館(1/17)

 ああ、なんてことでしょう(感涙)。
 
 いざ書くとなるとことばが出て来ない…。
 1幕目の途中から、もう目の前が涙で曇って…。終わった時には茫然。ああ、あのエドガーが、切なさと悲痛さはそのままにホントにそのままに、少し幼く可愛くなって、より豊かな感情をたたえて、確かに確かに戻って来ました…(号泣)。


 ちょっとーまって! も
 コペルニクスについて話そう! も(少し可愛いけど)
 フロイト も
 ああ、神様… も
 いま、ぼくは祈る、生まれて初めて… も
 けものさ〜ハッハー も


 もうもうもう、甘く素敵な声が響き渡って、切なくって優しくって透き通って…。戦慄が走るというか、私、いま、何を見てるの?って、気が遠くなりそうでした。目の前にいるのは、パワーアップして愛らしくなってお茶目になって、あの赤裸々な魂のエドガーそのものでした。
 しんこうふっかつしゅうかい、は、ことばが難しいのね、暫く考えないと思い出せないのね。
 殺してやる…、は呟く台詞のように吐き捨てるように語られます。


 ともかく歌声のすごさ、尋常じゃなかったです。こんなに心にダイレクトに響く歌声、長く聴いてなかった。というか、もしかしたら去年を軽く凌駕してるかもしれないとさえ思った。感情がそのままことばになって歌声になってる、そんな気がした。
 
 
 1幕の途中から、私は訳がわからなくなりました。今朝、あんなに七面倒くさい通過儀礼を自らに課して、息せき切って新幹線に飛び乗った、あれはいったい何だったの?て(笑)。そんなややこしい作業、何もいらなかった。目の前にいるのは、去年以上に、感情と表現の振り幅を豊かにした、歌声の甘い、素敵なかっこいい少年エドガーでした。とても魅力的で、人間を信じることしか知らない、ピュアで可愛らしい、新しいエドガーその人でした。
 

 もちろん、檻からのするり抜け出しもあります、ママに見つかって慌てて自分で檻に逃げ込むのもあります、毛布を被って寝たふりもあります、目を醒してラジオ体操もしちゃいます、ママの歌声に、慌てて要領よくわなわな震えてみせたりもします…。背負い投げじゃなかったけれど、大外刈りみたいな「せいや!」もあります(笑)。でも、葛飾で見た時の違和感は、今日はまったくと言っていい程かんじなかった。これは何なんでしょう。全体の確かな一貫した空気をまとっていたせいでしょうか。
 そんな、ちょっとお調子者のエドガーは、去年より幼い子供に見えました。それは全体を通じてシェリーの形象ともども同じ空気を作り出していて、ティーンエイジャーの、背伸びをした、その分熱くて痛くて、圧倒的な刻印を残す恋の甘さを感じさせました。一幕のお遊び部分も、そんな無垢で幼いエドガーが、何くれかまわず遊びたがる、そういう姿に見えました。
 

 でも、何よりも目を奪われたのは、二幕冒頭で、神に癒される為に通路に立ったエドガーの姿。わりと近くで見たのですが、その表情に驚きました。
 去年のあの場でのエドガーは、自分が受け入れられるかどうかに心を震わせ、こわばった表情で名乗りを待っていました。息を呑むような表情だったのを覚えています。
 でも、今年のエドガーは全然違った。喜びに溢れたこれ以上もないニコニコ顔…(涙)。これからぼくは神の救いを受けるんだ!そのことに、一切何の疑いも持っていない、希望しか心に無い、そんなまっすぐの光る笑顔で名乗りを待っていました…。


 その時、いろんなことがもう溶けるように心に滲み込んで来て…。
 
 今年のエドガーは、去年よりも少し子供っぽくって、人間を信じていて、希望をまっすぐ受け入れている。話し方の幼さも。シェリーと2人で、夜の森で泣いちゃう場面での幼子のような泣きっぷりも、ハンカチを差し出されて、それでブンブン洟をかんじゃうのも、無垢な子供の行動そのものです…。そんな子供に与えられた「希望」の重さ、「教育」の罪、そんなあれこれが、あの喜びに溢れたエドガーの表情との対比を通して、強く強く象徴づけられるように思いました。


 すごいです。
 どうしようもない。とんでもない人です。去年のエドガーはもちろん大好きだけれど、今年のエドガー、ああ、大好きになりました。で、まったく別人なんだけれど別物じゃないんです。確かに2つは通じ合ってるんです…それを痛感して、もう早くもおいおい泣いちゃってます(涙)。


 他の方々の歌も、すごくバージョンアップしていました。特に、福井さんの歌声にはもう涙なしでは聞けない…。もちろん、牧神のチルチルは、葛飾からずっと素晴らしい!!
 

 A JOYFULL NOISE でハイタワー牧師の上手に立って、足さばきも軽やかにダンスのステップを踏むのも、チルチルで側転するのも、手を大きく広げて羊さんとポーズを決めるのも、ほんとにかっこいい!それと、跳躍力がものすごいです。高く飛び乗ったり飛び降りたり、これは去年以上に見せ場が多いですね。檻の外枠や木の足組をクイックイッと軽快によじ上る場面も多い。体全体を使ってぐんぐん表現しておられます。葛飾では、あまりに普通の直立二足歩行が目立って普通に移動してるって思っちゃったけれど、実はそうじゃなかったんですね…。ほんまにとってもかっこいいです(ボキャ貧:苦笑)。

 
 ああごめんなさい。書きたいことはいっぱい有るんだけれど、今日はあまりの感動で、ことばがこれ以上出てきません。4日ぶりのBBは、とんでもない進化を遂げていて、確かな新しさと去年の本源的な心を、間違いなく伝えていました。
 たまにはいいよね、これまでと同じレポ形式じゃない日記で、そのまま心にしまっておいても(笑)。今日はそれくらい、もう感動で胸がいっぱい。



 そうそう、客席に、去年のロレーン、仲代 奈緒さんがおられました。それと、安達 祐実ちゃんも。とってもきれい。仲代さん、テーラー夫人&看護婦さん登場シーンで爆笑しておられました☆ 

 あ、それと思いだした☆パーカー家のことばのお稽古当日の晩ご飯は、マッシュポテト*1穴子の天ぷらだそうです、なんちゅう献立や!(笑)


 …と、これで終わろうと思ったのですが、やっぱり今日の舞台の余韻にどっぷりと浸かってると、いろいろ思い出されてきますので、以下、延々と寝るまでの間、エンドレスに気ままに書き入れ続けることします。完成してupする、って書き方じゃなく、新しいBBに祝杯上げながら、あれこれポツポツと思い出しながら…。うん、今日はなんかそんな気分だな…。

*1:間違い訂正しました、桐ちゃん、あんがと