野ブタ。をプロデュース 第6話


 もう、すっかりはまってます。大好き、みんな愛しい。
 今回のメインは、野プタキーホルダー販売の成功と挫折、そして、彰の実生活の親子関係、その中で、三人の感情や成長が描かれて行くという趣向。うまい。うなります。


 これも、長いのでたたみます。



 彰のお父さんが会社の社長さんで、その会社を継ぐのがいやで家を飛び出してお豆腐屋さんに下宿してるっていうのが、なんかデジャブだったんだけど(笑)、でも登場したお父さんがタテノリパパとは全然違いました(当たり前)。2人で取っ組み合いの大げんかをしたあと、夜風に吹かれながらお父さんに、自分の本心を呟くように語る彰に、まず泣きました。こんときは、普通の少年の話し方をしてるの。いつものおちゃらけ口調じゃなくって。あの喋り方が、自分の本心をカムフラージュするための、彰にとっては一つの武装なんだってことがわかる…。

 野ブタキーホルダーに偽物が出回って、巻き返しを図り、バージョンアップ版を売り出す三人。信子は「もういい」って言うんだけど納得しない修二と彰。でもそれは、もう手作りじゃなくって、普通のただのキーホルダーなんだよね。案の定失敗して、かっこわるい!と腹を立てちゃう修二。まだまだ幼いんだよね、かれの心って…。
 修二の性格は確かに優しいしチャーミングだけど、行動原則の浅さ幼さがだんだん赤裸々になってくる。それは、信子の成長や、彰の格闘ぶりが明らかになってくるのと表裏一体なんだけれど、たぶん、これから、この、一番「普通」な修二自身の成長がクローズアップされていくんだろうね。今日も、ドラマ前半で、生活に疲れたサラリーマンに嫌悪感をあらわにしてた修二が、後半では、同じ人間の後ろ姿を見ながらも、一人一人の生き様に想像力を働かせようとしている所は、きっと今後の伏線になるんだろうなって思った。

 このドラマが凄い所は、こんな風な、大きな伏線、つまり、11話の中で、数話に跨がって仕掛けられてるいくつかの伏線と、一話の中で完結する細かな伏線が縦横の糸のようにしっかりと絡み合って、ドラマ全体の構成を揺るぎないものにしている点。
 今回の細かな伏線は、横山先生の詩集。青春の思い出である私家版詩集を捨てられない横山先生。ようやくそれをゴミ捨て場に運び、そこでゴーヨク堂店主の清志郎さんと語らいます。いまの自分に後悔してるのか?と尋ねられ、「いいえ、意外かもしれないけど、ぼく、今の仕事、大好きなんです」と照れくさそうに話す横山先生。ここも泣かされました。それが、ラスト近く、進路希望の用紙に、「道端の10円玉」とか「笑って生きる」とか「ちゃんとした人間になる」とか、抽象的な事しか書けない三人の回答を見て、「…真面目なのか…」と納得した理解の微笑みを見せる横山先生へと繋がってる。その後で、上に書いた修二の小さな成長が描かれる。もうね、泣いちゃったよ。

 で、ラストに置かれた彰の告白。「野ブタを俺だけのものにしたい」って…。ああもうね、なんて愛しいんだろう(涙)。


 亀くんは、目の動きとか、ほんとに自然でいい演技をしますね…。これから、修二の葛藤が始まるはず。よし、頑張れよ!三人とも、ほんとに大好きだわ。


 脚本家、木皿泉さん、「すいか」の方なのね。なるほど。納得。