劇団☆新感線 吉原御免状@大阪 梅芸メインホール ソワレ

原作 隆 慶一郎
脚色 中島かずき
演出 いのうえひでのり
出演 堤 真一 松雪泰子 古田新太 /京野ことみ 梶原 善 /橋本じゅん 高田聖子 粟根まこと /藤村俊二 等

 いやあ…。ははは…。
 実は、新感線の舞台って初めてです。学生時代は見るチャンスが無く(第三劇場とか卒塔婆小町とか、はよく見たけど:笑)、社会人になってからは、勝手に若い人達が見る舞台だ、ってて思って来たから。ヘビメタで、チャンバラで、アクションで、派手派手メイクで、アニメっぽくって…って思って来たから(苦笑)。

 その印象は、一面間違ってなかった。期待は裏切られなかった。良い意味で。
 ロックなばっちり正統派のチャンバラ活劇、芝居の通俗性をとことん追求してる。好みは別れるだろうけど、私は楽しみました(笑)。ただ、側で泣いてる人がいたけど、それは私にはあり得なかったです(苦笑)。


 以下、続きを読む記法で。



 舞台の幕が切って落とされる直前の演出、鳥肌モンでした。うわあ☆すっごーい!ってぞくぞくした。来年、こんな豪華絢爛大掛かりなスペクタクルなステージに、しかも、正統ヘビメタミュージカル(あ、そう思い込んでたけど、もしかしてストレートだっけ?笑)で未來さんが登場するかと思うと、俄然テンションが上がりました。
 
 ともかく、堤真一さん、かっこよすぎやわ。ずるいよ〜。舞台に立ったら、もう他がかすむかすむ(笑)。顔、小さいのねえ…。着流し姿の美しいことと言ったら…絶句です。お色直しも、えっと、覚えてるだけで8着はあったな。素晴らしいお着物で、もう粋でね。どれも堤さんの魅力を存分に引き出してたけれど、最後の大立ち回りでの白の着流し、裾に留袖風に黒い墨が入ってるの、ちょっと香港映画みたいな効果を醸し出しててツボだったわ、色使いいいな。

 それと、舞台美術&舞台設計の素晴らしさには息を呑みました。回り舞台を使いこなして、場面展開の美しさや展開のダイナミックさ、幾何学的な造形と、平面と立体を巧みに組み合わせた構成、見事!の一言です。これは一見の価値が有る。堤さんのかっこよさ&衣装の美しさと舞台美術の見事さ、今日の感想は、それに尽きます。

 この美しい舞台演出、さらにクドカンの演出で、この空気の中未來さんが演じる、あの語る肉体で、スタイリッシュに舞台所狭しと躍動する、と想像すると、いやもう、ちょっと鳥肌が立ちます。だからやっぱり、むちゃくちゃ楽しみなんだな、これ。


 パンフレット、2700円!たっかぁ〜☆っと思いましたが、豪華絢爛、写真集のようなすごいパンフでした。こんなパンフレットに、未來さんが美しく様式化されて絵のように嵌め込まれるわけね、ちょっとそれすごいよ!

  • 【付記】えっとそれからもう一つ。舞台を見ながらそういう印象をもって、パンフレットを読んでやっぱりと確信したこと。原作や本の背景に、網野史観があるんだ。解釈のありようは別にして、その影響と投影は、よくわかりました。その上で、その史観を、徹底的なエンタテイメントとして昇華させた、それもよく理解できた。頭でわかった。そしてさらにそんな風なこの舞台の本質が、実は生身の肉体であることも、ずしんと響いた、届きました。まごうことなき個性があるね。後は、ほんっと好み…いや、私は楽しんだけど(しつこい笑)。