TVステーション 2005-13 p.38「テレビに出ているあの人のこの舞台」

 コメント欄で、Blueさんに教えていただいたので、見て来ました。38ページに、Top Stage7月号と同じ歩道橋の写真が配され(ただし白黒)ています。テキストを書かれたのは、『Coulorful』で、とってもサクサクとした未來さんを紹介してくださった徳永京子さんです☆
 辛口だと聞いたのでドキドキでしたが、あれは私の中では辛口には入らない、かな(笑)。短いながらもたいへんまっとうな舞台評です。


 未來さんには、とても好意的です。「欲を言えば、もう少しこの人のダンスが観たかったが」というコメントなんて、まったくまったく!同感です(笑)。「ザ・ミュージカルと自然なミュージカルとの間で迷った印象」と言っておられるのは、これは賛否両論かな(笑)。こういう、既存の二分対立項を考え直さないといけない存在に、きっとこの先、未來さんはなるよ☆そう確信してるから(うん!)。もしも迷っていたとするなら、それは未來さんではなく、彼を動かす方法論を模索中の演出陣の方、なのかな、なんて(笑)。
 徳永さんの辛い目コメント、「セット転換のスムーズさや役者が舞台上を出入りする動作の美しさ(を欠く)」という問題点は、いろんなブログやサイトで、この舞台のマイナスポイントとして指摘される部分ですね。まあ、考えようによっちゃあ、それ以外にマイナスポイントはないということで(笑)。
 それに、これも理解次第という気がします。

 セット転換に時間がかかる、という点ですが、私は全然気にならなかった。むしろ、歌舞伎の黒子のように、黒のユニフォームをまとった人たちが、決して走らず慌てず、様式化された不変の所作でセッティングして行くのを、とても興味深く見ていました。規模は違いますが、能や狂言で、ほんのささやかな舞台装置を、自制された様式美を伴う所作でおもむろに位置転換する伝統に通ずる、そんな「仕掛け」を感じておもしろかったです。
 役者の舞台への出入。いやあ、これは私、大満足ですよ、この舞台については(笑)。
 普通に登場すること、未來さんみたいに決め決めポーズであり得ない程かっこ良く登場すること(強調し過ぎ:笑)、これは言うまでもないけれど、私がおもしろかったのは、むしろ均一ではない役者の登場具合です。
 一番顕著だと思ったのは、ムラさんが、動けなくなって社長室にカンカチコで入ってくるところ☆☆。あの場面、客席の右(上手)サイドからじゃないと、最初の動きが見えないんですよね(笑)。まん中から左は何が起きてるのかわからない。客席の右から徐々に起こる笑い声と拍手を、左は何?何?って感じで待っている(笑)。何歩目かに、ようやくお相撲さんの土俵入りみたいにキバッたムラさんの姿が舞台上に姿を現す。すると、安心の待望の笑い声が左を中心に巻き起きる(笑)。この歓声の二波、計算かどうかはわからないけれど、私は毎回、聞き耳を立てて味わってました。
 舞台って、ほんとに人それぞれの感想を生むんだなあ(笑)。そんなのを聞くのも楽しい☆。 
 いろいろ書きましたが、私、この徳永さんのテキスト好き。簡潔で問題点が明確になる。読み手の賛否の意見も、うまく導かれる。こういう文章、書きたいな(笑)。

 Blueさん、ありがとうございました!読んで、とっても楽しかったです!