「髑髏城の七人」大阪千秋楽8/24


 すごかった〜!ほんとに楽しかった!
 ああ、私、いま「髑髏城」をこの目で見てるよ〜!って何回も思った。幸せだった〜〜。
 
 ともかく、千秋楽でいきなり台詞を変えてくる新感線、恐るべし!です。進化することを止めない劇団、あっぱれ!
 三階のしかも最後列という高い高い所から舞台を見下ろし、ほんとに奈落の底を眺めるようだったんだけれど、舞台上を照らす照明の美しさや、長さの変わる八百屋の仕掛け、あれこれ存分に見ることができて、すごく良かったです!昨日の前楽、前から二列目という自分の中で至近席だったので、コントラストはバッチリです(笑)。
 そうそう、ちょっとネタバレ?含みますが、最後の天魔王は、マットじゃなく、人間様が受け止めてましたよ。たいへんだ〜。
 
 カテコは上機嫌な天魔王もとっても良かったのですが、なんといっても太一くんに尽きます!
 お煎餅撒きも終わり、舞台上は、2階3階に散っていた鉄機兵や花魁さんたちを待つ状態、音楽に合わせてみんな踊ったり身体を揺らしたり楽しそう。カッチくんと小栗くんが、太一くんを挟んで踊っていて(腰を揺らしてツイストっぽいの)、未來くんはちょっと間に一人置いたくらいの所でやっぱり音楽に合わせて身体を揺らしてた、のかな。そしたら、なんと!太一くんが、あの蘭の衣装のまま、同じように腰をツイストさせて踊った!!!回りは思わず動きを止め、みんな太一君を見て大喜び!浮き足立ってます!未來くんも、一歩近づいて「わ〜」って感じで大喜びしてる〜〜それに気づいた太一くん、ぴたと動きを止めて、顔を手で覆って恥ずかしがってる〜〜君、可愛すぎるんだけど!!!舞台上がもう客席以上に大喜びです♪ 愛されてるな〜〜19歳!
 いやあもう、高い高い3階からでしたが、こっちもメロメロですよ。思わず未來さんから目を離してしまいましたよ(笑)。反則レベルに萌えました!
 
 お煎餅は、3階まで駆け上がってきてくださった鉄機兵さんからいただきました♪さすがに3階には花魁さんは来てなかったな。階段、着物では大変だもんね^^

 以下、今日までの個人的述懐です。
 
 
 
 アカドクロが私は大好きで。
 新感線の舞台を生で見るのは2005年の「吉原御免状」以降なので、アカもアオもゲキシネとDVDしか見ておらず、ああどうしてこの舞台を生で見られなかったんだろう〜って残念でしょうがなかったんです。まあ2004年は日本にいなかったから、そもそも無理だったんだけれど(だから「スター誕生」も見ていない)、生の舞台を見たかった筆頭が、この「髑髏城の七人」。
 今回のワカドクロ、初日二日目と見て、天魔王は今までに無いキャラで凄くおもしろかったし見事!だったんだけれど、家に帰ってアカドクロのDVDを何度も見てしまったんですよね。で、やっぱりアカは完成形だな〜これを越えるのは大変なんだな〜〜なんて思ってた……正直そう思ってしまいました。
 それが!です。浅はかだったよ、私!
 どんどんどんどん、回を追うごとに、この舞台、生き物のように凄くなっていくんですよ。その変貌の迫力たるや、すごいんですよ。昨日、前楽見た時に、すでに「ああ、私、髑髏城の舞台に直に遭遇してるぞ」という実感で、間にあった〜〜って感動を何度も味わってたけれど、今日はもうもうもう、ワカドクロ、歴代最強の「ドクロ」なんじゃないか!って思って、ゾクゾクしてしょうがなかった。間違いない、私、生で「髑髏城の七人」をこの目で観ている!
 
 捨と天を分けたことで、信長後の三人の若者の生き様が、それぞれ際立った輪廓を与えられている。これは大成功だと思いました。そして、それぞれを、若い三人の役者が見事に演じ切っていたことも大きい。舞台を重ねるほどに、その役が舞台空間の中で、演じる人間の姿に重なっていった。迫力と熱量と心が、走り出して止まらない勢いを持っていました。これは、もしかしたら若いからこそ、の勢いかもしれません。
 
 捨は、弱くて優しい。小姓だった天と蘭とは違って、最初からどこか信長に対して疎外された自己を抱えている。それを「捨之介」と名乗ることで正当化しようとしていたのが、仲間を得て、亡霊信長を振り切る力を手に入れる。 
 天は、信長と自己を同一視してしまった人物。信長になろうと自己を肥大化させる、狂気を膨張させる。蘭とは違う形で信長に同化したかった男。自滅が待っているのは謂わば当然。
 蘭は、信長と生死を共にしたかった、それができないことで謂わば亡霊のように別の生を生きてきたのに、そこへ天魔王が登場してしまった。蘭に抵抗などできない。たちまち彼の暗黒に飲まれてしまう。
 
 その哀しい生き様が愛しくてたまりません。
 
 小栗・未來・太一という三人、見事に役を生きてたなあ。さらに、兵庫の勝地くん。三人に対照的な、野(や)に生きる人間の強さと明るさを、鮮やかに演じ、捨一人が持つ「地」との連続性を繋ぐ存在として、キラキラはじけてくれました。
 
 きっとこれから東京公演、まだまだ進化して舞台を完成させていくんだろうなあ。私の感想もまだまだ変化していくかも(笑)。それが楽しみ。
 次は東京髑髏城、いよいよ本丸です!待ってるぞ〜!!