初日!11/5ソワレ

 見事な初日でした!
 ただただ膨大な台詞、形骸化し、無意味さを極める「ことば」に取り付かれて崩れていく家族とアルトゥル、その姿の特質を一言で言うなら「滑稽」に尽きる、それが鮮やかに舞台上に表現されていた。
 ともかく私はずっと笑ってました。少なくとも1幕中はずっと(笑)。
 アルトゥルは、憐れで愛おしく可愛く愚かで救いは皆無で手のつけようが無くて弱くて空回り…それを、あのしなやかな肉体でイライラと表現し続けていた未來氏にとにもかくにも拍手です。何より目を見はったのは、あの空疎な台詞を、しかとそのことばの意味を自らの中に咀嚼して、決して空疎ではない台詞として口に出し、そしてそれが他の強者の役者陣の中で「見事に」形骸化していくという、その絶妙な間合いを、彼が徹頭徹尾表現し通したってこと。空疎な言葉に存在を賭けてしまった男が口に吐くことどもが、観客に空しくしかも滑稽に伝わらないといけない…空疎じゃない言葉が空疎に響かないといけない……ああ何て難しい!でも、それを彼は表現しきってましたよ〜。ううう。
 もちろん他の役者さんたち、全ての人が達者な曲者揃い、一人として下手な人がいない(当たり前だけど♪)。アラを演じた奥村さんも、いやあ声は良いわ可愛いわ、表情は豊かだわ立ち姿はきれいだわ、もう泣けるぐらいステキでした。
 今日の座席はバルコニー席だったのですが、大きく前に張り出した舞台からとても近く、角度的にアルトゥルの表情もとても良く見えて、大正解のお席でした。通常の客席よりも舞台と目線の高さが近いので、すごく良く舞台が伝わって来ましたよ!カメレオンさん、バルコニーなんて〜って文句言ってごめんなさい(笑)。すごく良いお席でした!
 特Sは、血の婚礼の時みたいに舞台を横から見上げる席かと思ってましたが、E列前に3列ほど特設がありました。(下の写真参照…)できれば横から見上げてみたかったな〜(笑)。でもそれなら視界良好なバルコニー席(1階の)が良いのかも。ああそれはもう、どっこいどっこいか(笑)。
 

 ストーリーに関しては……、えっと、原作を読んでいたのでその時のことを考えると、長塚演出に救われた〜って感じです(苦笑)。取りあえず初日の今日はこんな所で♪