リミットー刑事の現場2

 うわー。すごい骨太の分厚いドラマですねえ。役者陣がみんなすんごく良い!
 伊武さんや杉本さん、みんな気迫がすごい。細田よしひこという人のお芝居も初めて見ましたが、目を引きつける力のある人ですね〜。署の一員でありながらキャリアとして傍観者的な位置取りを甘受している、そんな姿を見事に表情で示しておられましたよ。うん、いい役者さんだ。
 ゲストの斉藤洋介さんと笠原秀幸さんもすばらしかった。犯罪を犯す前の犯人が階段を下りるときの、踵を浮かせた浮き足だった足下に目が釘付けになりました。すごいや!
 
 そして何より武田さん……すっげー迫力だ! 「人間は人を殺せない!」と言い放つ梅木は、本当は人間を信じていることがわかるんだけれど、それだけに、殺人と犯罪を敵として全身で憎しみ抜くのを「答え」としてる。そのぶれない行動律が、周りをなぎ倒していく。
 そんな梅木に翻弄され攪乱されながら、この後、啓吾が身にまとっていた「おり」や「鎧」の欠片がはがれ落ちていくんだろうなあ〜〜。むき出しになった啓吾の心に現れるのは一体何なのか…いやああこれは目が離せないぞ、次の土曜日まで待てないよ!
 
 啓吾の悪夢には、一瞬息を飲んでしまいました。あれはすごい。すごすぎる。遠近感やプロポーションを無視したような構図と、無機質な音と光溢れる閉じた室内で、啓吾の手に光るナイフ……ひゃああ。背筋がゾクッとしました。その後の、頭を抱える啓吾、明るく晩ご飯を食べる啓吾、妊娠を告げられむせ返る啓吾、優しく微笑んでプロポーズする啓吾……。直前の悪夢のせいか?いやそうでもないな、こんな幸せなシーンなのに、二人を覆う空気が張り詰めてるのが気になります、というか語り合った後の二人に、笑顔が無いよ〜〜うーん、どうなるの? 前髪下ろした啓吾が可愛いだけに、胸がちくちく痛くなる。


 取り調べ室で、自分のすぐ横を通ってパイプ椅子の位置を動かす梅木の姿を、視界の端で捉えてチラリと視線を動かすところとか、啓吾の繊細な表情、いいですね。あと、茉莉亜の肉じゃがを食べる時に腰を浮かせて立ち上がって頬張るのとか、やっぱり身体表現が雄弁だなあ!


 そうそう、NHKのドラマトップページで、リミットの予告編が見られます!
 http://www9.nhk.or.jp/drama/
 
 番組最後の予告とほとんど同じだけれど、「偽善者」という赤字で彫られた啓吾の姿、そのラストに、まるで何かに脅えるような…、もしかすると己の中に悪を見て戦慄する?かのような、思いがけない啓吾の姿が流れてギクリとしました…。来週は、啓吾、いったいどうなっちゃうんだろう…。ああ、ほんと、来週まで待てないよ〜〜。
 公式さんには、1話の1分ダイジェストがアップされてますね。すごいすごい。仕事が早い!愛があるよー。