『アヒルと鴨のコインロッカー』@WOWOW

 そっかあ、これだったのね、謎のブータン人。そういうことかあ…。
 濱田岳くんとの存在感のコントラストがとても良い。いい役者さんだなあ、濱田くん。彼の台詞の幾つかに、強烈に泣かされました。「字、×××××××」*1や、「神様を××××××」や……(涙)。瑛太くん、後ろ姿が印象的です。長い手を殆ど振らずにスタスタ歩く。冒頭の姿*2と次の登場シーンとのギャップにドキッとして、口元の笑みと笑わない瞳のギャップにドキッとして…。
 
 すべては運命のスパイラルの中、人間も時間も渦を巻いている。ディランを携えて新たにその渦に飛び込んだ濱田くん。次の語り部になる運命からかろうじてはじき出されたのだろうか、それとも…。そこにあるのは、アヒルと鴨の違いが示唆するホンの小さな裂け目。でもそれは小さいけれど裂け目なんだよなあ。それが強烈に印象づけられるのは、これはひとえに演出とキャスティングなんでしょう。
 でも、きっと帰る、と言った濱田くんのことばが気になります。彼はその場所に突き刺さったスパイラルを、巻き上げるのかそれともゆるめるのか…。

 原作、読んでみたくなりました。

*1:わざとらしい伏せ字ですみません(苦笑)

*2:あれ、演出的には伏せられてたのかな。私はすぐわかったけれど…