『青砥稿花紅彩画〜白浪五人男〜』

 いやあ、おもしろかった〜!
 口上のかっこよさはもちろんのこと(痺れた〜!)、大がかりかつ豪華絢爛舞台装置に軽業のような殺陣の連続!派手な衣装をどんどん着替えるし、お笑い満載、パロディ満載!
 オリンピックイヤーってことで、小判をメダルに見立て首から下げてへっぽこ見得切る番頭さん(市川左團次)はさしずめ橋本じゅんさんです(笑)。信田小太郎に化けた菊之助が、声色一変に正体を現す所なんて、ほんと笑っちゃいました。

 「知らざあ言ってきかせやしょう」。かっこいい〜♪ 大向こうから声がかかって大拍手!
 「浜の真砂と五右衛門が 歌に残した盗人の種は尽きねぇ七里が浜 その白浪の夜ばたらき…」。ぐぐぐ(涙)。かっこよすぎて泣いちゃいます→台詞はこちらに☆青砥稿花紅彩画 - Wikipedia
 で、ちゃんと人情話が絡んでてねえ。海老蔵が出てきただけで、こりゃあ親子関係に何かあるよね!と思わせるのがうまいね。さしずめ、カルマ王子のご登場!大立ち回りが予感される蔵の場面で、一転明かされる実の親子(笑)。こんなうまい話はありえねー!(笑)とツッコミながら、大喝采です。海老蔵團十郎が「実の親子」と手を取り合うだけで、もうね、観客の心をわしづかみだものねえ。
 初代の菊五郎の写真が冒頭に出ましたけれど、細面の優男ですねえ。稚児上がりで女装して世をしのぎ、ってアテ書き。キレイな役者の女装が見たいのは、古今東西変わらぬ観客心理ですね(笑)。

 で、稲瀬川での連ねです!
 追っ手が迫ってるのが見え見えなのに、5人揃って伊達な着物に身を包み、わざわざ「しらなみ」染め抜きの唐傘回して、そりゃあ「見つけたか」どころの騒ぎじゃないですよ(笑)。目立ちすぎ!!おっといきなり始まった!
 「問われて名乗るもおこがましいが」ひゃーゾクゾクする! この名台詞、新感線でもよく使いますよね〜。アカドクロとか。「おこがましいが!」でリフレインする劇団員が一瞬目に浮かびました(笑)。
 駄右衛門、菊之助と進んで三人目、「その名も赤星十三郎〜」で、「我が名はカルマ」を思い出したり。

 ラストの大立ち回り、これもすごいですね!
 主役はひたすら様式美、追っ手の役者さんの、まるで軽業師さながらの宙返りの連続!大屋根の上でどんどんやっつけられていきますよ。アクションクラブの人たちが、一斉に古田さんに襲いかかってるのはこれですねえ〜!
 
 いやあ新感線を見た目で見直すと、わかってはいても、ああ☆なるほど歌舞伎ってエンターテインメントだな!と思い知ります。新感線はまさに「いま歌舞伎」だなあ。

 ああ、楽しかった!!