中国大地震 義捐金窓口

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 10年以上も前になりますが,震源地ほど近い都江堰に行ったことがあります。緑深い山間に岷江が流れる,とても美しい町です。
 都江堰というのは,中国,秦の時代に築かれた生態型(堤防をもたない)水利設備の名称です。蜀の都成都周辺が,有史以来肥沃な穀倉地帯であり続けたのはこの岷江あればこそなのですが,同時にその豊かな水量はしばしば洪水を引き起こし,周辺の人々の脅威ともなっていました。そのあばれ竜のような岷江を治めようと,蜀の国の太守李冰が造営したのがこの施設でした。B.C.256年,今から2264年前のことです。
 仕組みは大変シンプルで,川が湾曲する絶妙のポイントに中洲のような島(「魚嘴」)を作り,川がその中州をめぐって自然と「外江」と「内江」に分かれるようにしたのです。水量が少ない時は,水は内江に6割,外江に4割の比率で流れ,内江沿岸の穀倉地帯を豊かに潤します。反対に洪水が起こりやすい時期には,勢いのある水は外江に6割,内江に4割の水量で注ぎ込み,やはり穀倉地帯を水害から防ぐのです。
 私が訪れたのは春先の水が少ない時期でした。水が少ない時期には,分水地点の「飛沙堰」を渡ることができます。靴を脱いで水をつけてみたのですが,きれいな二色の清流が,さらさらさらさらと音を立ててぶつかりながら,まるで魔法のように眼前で分かれ,もつれ戯れる二頭の竜のように美しい波を立てながら下流へと流れていくのを,目を見張って眺めたことが,まざまざと思い出されます。
 →都江堰写真
 
 今は世界遺産にも数えられる都江堰とその町も,今回の地震によって壊滅的な打撃を被りました。市内の多くの学校が崩壊し,有為の若者が今もなお瓦礫の下に埋まったままと報道されます。
 どうか,ほんの少しでも救済と復興を願う気持ちが被災地の人たちに届きますように。