WOWOW映像ひきつづき…(二)

 なんてことでしょうねえ。レオナルドの色香にとことんやられちゃってます。
 WOWOW映像での『血の婚礼』、劇場空間とは一味も二味も違う作品になっててすごい。改めてこんなとこで言うのもなんなんですけど(苦笑)、森山未來って人は、とんでもない色気の持ち主ですねぇ。
 玻璃のように透明で、
 触ると手が切れそうに鋭利で、
 荒々しいかと思うと花びらのように柔らかく、
 妻を抱き寄せる悲しい優しさに、
 花嫁と愛し合った後の滴るような色香……。


 考えてみると、口から紡がれる言葉だけじゃないんだな、彼の場合。
 強い視線の先に、繊細に力を伝える指先に、緩急自在に動く大きな手に、情熱滾るその身体が刻む軌跡に、そう言った、全身が語り出す雄弁な表情に、たまらない色気を感じるんですよねえ。
 マリクレールで彼自身が語ってた、「僕は、僕という体をすべて使って、表現をしたいだけ(p.141)」を、否応なしに思い出さされる。



 目というと、やはり劇場ではなかなかそこまでは見られなかった表情の数々。映像化されると、歴々と画面にあぶり出される…。この人の目ってほんとに語るなあ…。
 例えば…

  • 冒頭近く、花嫁がすり抜けるときに差し出した手の先を眺める目…。そのすぐ後の、足を強く叩きつけて空気を一変させた時には、後の運命を暗示するかのように憤怒に満ち、水鉢のように見開かれていた目の光とは対照的に、無垢な驚きすらも感じさせるあどけなさですよ。
  • 妻を見やる、感情の無い目も今回初めて見ることができたけど…。そう、鬼のような目、と妻が表現したあの目です…。確かに強い光以外、何の感情も動いていない。この人、目をこんな風に無にすることもできるんですよね…ほんとに不思議。
  • その目があるからこそ、妻の叫びに心を動かし、そっと近づいて肩を抱き、一緒に行こうとささやく目が、悲しい優しさを微かに帯びるのが引き立ってくる。ほんの微かなんだけれど…。根岸さんの「忘れないで、いつまでも、この日のことを…」という歌詞に観ている方も心動かされる。
  • 宴会の席で、妻が誘う踊りに優しく微笑む、その目の花のような愛らしさ…。中性的な透明感があって、なんかもう訳わかりません(涙)。
  • でもその直後、妻と踊りながら、その妻の肩越しに花嫁を見つめる、その目と言ったら…!思いが詰まりすぎてて、ほんの一瞬なのに、こちらが氷結してしまいそうな一瞥…。
  • うんと飛ぶけど、ラストのシーン。花婿の前にゆっくりと立ち上がり、じっとその姿を捉えるその目…。暗い宿命に全身が侵されていくのをただただ受け入れて雪の塊となっていく、その過程を見据える目…。これがゾクゾクするほど色っぽい(ドキドキ)。直前の、花嫁との禁じられた情事*1の余韻を引きずる熱く恍惚とした表情に、絶望の影が降りていく…。そのエロティシズムといったらもう、なにやかやがポタポタしたたり落ちてます…。なんなの、いったい、この22歳*2??
  • かと思うと、カテコでは可愛くソニンちゃんと目配せしたり、悪戯っ子みたいに微笑んでみせたり…。あーあー!もう!なんなんだ〜〜!!暴れるぞ〜!

 ああ、「目」の話だけで時間切れだわ(苦笑)。
 後、森の中のあれこれや、言葉の問題やら、渡辺さんの語りから見える未來さん像とか、「番組」としてもいろいろ面白いことがあったのでそんなことも書いてみたいんだけれど、これから、仕事仲間の壮行会です(笑)。またまた一杯飲んで来ます、飲み過ぎや!ほんまに。



 

*1:敢えてそう呼びますが

*2:当時