6/3ソワレ大阪千秋楽(1)「カーテンコール」中心に

 昨日ももちろん素晴らしかったんだけれど、今日のソワレはまたまたすごかったです。とてつもない力と心が張り詰めて、またボロボロ泣いてしまった。尾上さんのところと、森の中と、ラストの女達…。この日のこの舞台を見られたことに、ひたすら感謝。


 大阪公演に入ってから、レオナルドの言葉に込められた感情の容量がぐっと広がって、複雑な感情の機微が「声」からはっきり伝わるようになっている、そのドラスティックな進化に、ただただただ、言葉を失う思いです。


 昨日は、妻との会話場面でそのことを強く思ったんだけれど、今日は、婚礼の朝、花嫁とレオナルドとの会話の力にやられてしまいました…。強く激しく、時に低く抑え、でもこみ上げる想い。ただ音の強弱じゃなく、表現豊かに「声」を繰り出し、心の動きを「声」に見事に乗せ、舞台に、観客にぶつけてくるその有様に、ああ、やっぱりこの人はすごいや…、と、改めて胸がいっぱいになった。5/12に一緒に見た友人、「未來くんの詩的な身体表現に、台詞が追い付いていないんじゃないか」と言ったあの友人*1に、今日の森山未來をもう一度見せてやりたいよ。で、「これならどうだ!」って迫ってみたい。私には何の手柄もないんだけれど(苦笑)。


 カーテンコールは、今日の公演は昼夜とも、1回目はフラメンコを入れず。2回目に満を持して。
 で、そのソワレのカテコフラメンコが、すごかったんです!
 それだけまずご報告です。


 最初のソロ&ソニンちゃんとのデュエット。ともにリズムと流れがとーっても美しい。わーきれい!って思っていたらすぐ後の再度のソロ☆ これが鳥肌ものでした! もう完全に、渡辺香津美さんと一対一のジャズセッション! タップのような足さばきで、つま先もかかとも美しく巡らせ(見た目も綺麗なんだ!)、これまで全然聞いたことのないリズムを、主旋律ならぬ「主リズム」(?主節奏?)の合間に細かく複雑に打ちこんで、しかも渡辺さんと息がぴったり…。圧巻でした〜。これが聞けた、いや見られただけで、私は座席から立てないくらい一杯の贈り物をもらったようで、幸せなんやら寂しいのやら、なんか色々渦巻いて大変なことになっちゃいました(苦笑)。


 3回目のカテコでスタオベ。ソニンちゃん、岡田さんと腕を組んで出てきました(笑)。かわいい〜。4回目に出てきたとき、未來さんは何やらソニンちゃんとくっついて密談風(笑)。ごにょごにょやってますよ。誰に振るのか相談してるのかな? 拍手を鎮めます。しーんと静まった会場に、小さな声で「えーっと、今日は本当にありがとうございました」。ここで会場から思わず笑い声が起きます。笑うところじゃないけどね(笑)。でもつい笑っちゃうんですよ。ほら、演技やらフラメンコやらの、力強さ、骨太さ、激情などなどから考えると、ほーんとにはにかんで頼りなげなボソボソ声なんだもんね〜。とんでもなく可愛らしいんだけど笑っちゃうのよ☆
 でも、その後、一転して急に元気よく、おっきな声で宣言しちゃいました!「今日は、黒い男の、新納慎也からご挨拶いたします!」あ〜あ、やっちゃった(笑)。またまた嬉しそうな顔しちゃって〜〜。
 新納さん、素で焦ってます♪未來さんに必死で、マイクがないことをアピール。未來さん、無視!(笑)。覚悟を決めた新納さん、「えっと、マイクをもうはずしてしもたんですが(関西弁!)…I Love Osaka!」 決めてくださいました(笑)。はける時、未來さんと新納さん、顔見合わせて笑い合ってますよ。えへへ、って感じで悪戯っ子っぽく肩をすくめてみせる未來さんがかわゆらしい(笑)。
 ソニンちゃんが手を振ってくれて、客席が沸きます。それに「なに?」って感じで反応して振り返る未來さん。最後にぺこりと会釈をし、とことこと姿を消して行かれました。


 あ〜(涙)。


 芝居本体では、上にも書いた婚礼の朝と、月と、森の中と、ラストの女達、これがすごかった…。尾上さん、すごいなあ。ほんとに鳥肌が立つ。森の中は、ちょっとえらいことになってました(汗)。
 あ、婚礼の朝のシーンで、「この壁が、俺とお前を隔てるとでも思ったか!」(だっけ?)のところで、レオナルドが、床にカーペット状に落ちている布の端を持ち上げ、それを揺さぶり再度地面に投げつけてました。


【追加】
 葬礼の場面の迫力と女達の感情のうねりもすごくて、「火の中に手を突っ込む」で花婿の母の手を取ってひっぱる花嫁。それを強く拒む花婿の母。江波さんの力がものすごく、そのまま2人とも舞台上に倒れてしまいました。すぐに立ち上がり、打ちひしがれる花嫁に近寄り、足蹴にせんばかりに「あんたの身体が綺麗だろうと無かろうと、あたしに何の関わりがあるというの!あんたが死んだところで、あたしが何の得をするって言うの!!」と罵倒する母。その迫力が尋常じゃなかった…。
 こうまでして生きていかねばならない女の哀しさと、継いでいかねばならない腐った血。冒頭のシーンで、母1人がかき集めていた血を、女達全員がかき集め胸にしまい込み、泣き崩れる。流れた血は自分の血。流れた血を吸う大地に生き続けねばならない女。



 えっと、他のポイントやマチネの感想などなどは、少し休んでから、後で追加します。でも今日中にできるかどうか、ちょっと不安(苦笑)。
 舞台の迫力にやられたのに加え、なんせ眠くて…いや自業自得ですが…(苦笑)。

*1:確かにあの日はそれに同意せざるを得なかった私だけど…