新感線RS『メタルマクベス』@松本レポ(上)「第一幕第一場〜第五場」。

はい。今回の王子は、原作だったら冒頭とラストしか出番ないわけだし…。冷静で行こうぜと自らに言い聞かせて赴いた松本で、あんなジュニアやきよしくんを見せられちゃあ、たまりません。すっかり今じゃあこのざまですよ。重症です。

これは、脚本家に感謝すべきなのか演出家に感謝すべきなのか、はたまた…ウィリアム?


ネタバレ一杯おこしてますから、畳みますね。ご注意ください。
舞台の流れの記憶が曖昧なので、原作『マクベス』のシーンごとにまとめて行くことにします。相当長くなりそうなので(苦笑)、今日は途中で終わっちゃうかも、です。







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開幕前

  • 新感線の舞台は「吉原」しか見た事無かったのですが、その時もオープニングの豪華さには驚きました。ありとあらゆる過剰さが氾濫してる。雑踏、色彩、花魁道中の交錯、そして音楽、それら全てが作る昂揚感に、一気に脈拍が上昇してどうしようかと思ったのを憶えてます。今回は、一転して、一面極めてシンプルで簡素なセッティング。誰もいない。舞台上には、あの髑髏のシンボルがドーンとスクリーンに照らされてあるだけ。それだけに、大音量の音楽、桐さんに教えてもらって所では、ジューダス・プリーストとか(id:xxkyrixx:20060507)。それがズンズンと足から頭から耳から目から迫ってくる。ライブ感たっぷり。

第一幕第一場「荒野」*1

  • 三人の魔女。お決まりの「きれいは汚い」なんだけど、ここはうまく持って行ってますね。ちょっと冗長な所が無いではないけど。うん逆説ってとこ(笑)クドカンらしい場面なんだけれどね…。でも、三人の声が揃わないのを翻訳の違いに結びつけるあたりは個人的にツボでした。翻訳でやる自体シェイクスピアそのものではないんだ、みたいな台詞が有ったような…。やってくれます(笑)。
  • 明日のジョー☆これがどうしてここで登場するのかわからなかったんだけれど、後でももさんに教えてもらいました♪なるほどね〜〜!!
  • 翻訳テキストを鍋に放り込む魔女たち。ここで林さん*2が突然関西弁を話します。「ええかあ?ええかあ?」。でもその関西弁が、うーん、ちょっとイントネーション変でね…(苦笑)。それが二日間とも何か気になって…。まあ、妙ないかがわしさが有っていいんだろうな。演出の狙いかもね。後でパンフレット見てみたら、右近健一さん愛媛の方なんですね…。あ、この右近健一さん、この間の Noda Map『贋作☆罪と罰』では、机上の空論を実行に移すことに情熱を注ぎそれすらも空論に収束する塾生を、熱く演じておられました。全然ちがうよほんと。いやあ役者さんってすごいなあ☆

第一幕第二場「陣営」

  • はい!とうとう来ました皆さん!ジュニアの登場ですよ!スロープ上の玉座に座った王の横にちょこまかと、子どものくせに*3酒を喰らって足下ふらついてるかわいいジュニアです!
  • もうね、かわいいのよビジュアルが☆髪は、逆エドガーの染め分け。左に長いキンパツが一房垂れていて、それをクルクルもてあそんだりしちゃいます。衣装は、黒の透けるインナーに、鋲だの何だのをガンガン打った袖無しのベストみたいのを羽織って、腰に短剣を差し、サイドに光るラインの入った革パン。かっこいいの!
  • それでグネグネ酔っぱらってるの☆
  • 満身創痍の士官が戦況報告にやってきます。駆け寄るジュニア。原作通り、戦場で自分を助けてくれた士官だ!と助け起そうとします。そっか、ジュニアも戦場にいたのね。きっととっても足手まといだったろうなあ(笑)。
  • 息も絶え絶えの報告に、体が「じりじりいいい〜〜〜」ってねじれちゃうジュニア(笑)。WBで、早川あつみちゃんにコーチを頼みに行ったシンクロ同好会メンバー、断ってもいいのよ!と言う麻子の言葉に「じりじりいいい〜〜〜」って体をねじるタテノリみたい☆もっとすごいことになってるけど♪
  • で、急遽、報告のピンチヒッター冠くん!冠くん最高です!この曲、だーいすき!!!ヘドバン、大変なことになっちゃってます。誰よりもあり得ない姿勢で、誰よりも激しく頷く(笑)ジュニア。はらはらしつつ、目が釘付けです。気分悪くならないんだろうか、なんて心配したりして。
  • 冠くんの報告間違いにいちいちレスポール王が突っ込むんだけど、そこだけヘドバンが止まり、皆の目が冠くんに集中します。そのときのジュニアのお顔がね、もう無茶苦茶かわいいわけですよ(笑)。檻の周りでぴょんぴょん跳ねてたエドガー、ねじみさん☆かたむむり☆って言ってたエドガーみたいなの♪ キョトンって顔して、歯が出ちゃってて、リスとかネズミとかのげっ歯類にむしろ近いというかなんというか。おまけに四つん這いだったりしてヘドバンしてるから、何かほんとに小動物みたいでさ…。降参です(笑)。
  • 冠くんのソロ部分が終わると、レスポール王のソロが挟まります。この重低音の素晴らしい歌声、びりりって身が引き締まる。
  • で、この時、舞台の臣下たちは皆すっくと立ち上がって、力強く足踏みをして右手を斜め上方に差し上げる訳ですよ。ジュニア、真ん中です!その手が真っすぐ長く伸びて、角度といい何といい、むちゃくちゃかっこいいの♪ぼーーってしちゃいますよ、ほんと(照)。
  • 宴は続きます。伝令の吉田とマーシャルがそこで陣営を離れたような気がするけど、違ったっけな。それが後の、ランダムスターとエクスプローラーのシーンに繋がるんだっけな?

第一幕第三場「荒野」

  • バイクを押して真打ち登場!ランダムスターとエクスプローラーです。この最初の2人の掛け合い、むちゃくちゃおもしろい。おしゃべりエクスプローラー、最高です!思った事全部しゃべるエクスプローラー、最高です!魔女の予言に茫然とするランダムスターの横で、チャゲアスを一人熱唱してるエクスプローラー、最高です!狂犬なんだけど無邪気な子ども(魔女風に)。大好き、じゅんさん☆
  • そうそう、このシーンで、6日のマチネ、エクスプローラーがランダムスターにチュってキスして、「イギリス人じゃないか!」って言ってました。アドリブね。イギリス人じゃないだろ(笑)。直後に2人とも吹き出しそうになるのを必死でこらえてておかしかった(笑)。
  • 三人の魔女。えっと…おいおい…。それネタに使いますか(苦笑)。
  • コラーゲンの泉の威力、すごすぎます(笑)。松さん、動き軽やかねえ。当然日舞とか小さな頃からやっておられるだろうし、そういう身に付いた、血の中に流れる動作の勘みたいのが、やっぱり抜群なんだろうなあ。
  • あ、いま気づいたけど、魔女の名前が、「林さん、森さん、柳さん」なのは、途中でコラーゲンの泉で若返って登場する「松さん」に掛けてるのかな、そうだなきっと(笑)。それとカレー鍋と…。
  • ランダムスターをマホガニー城主にするとの伝令が伝えられます。いや、それよりマーシャルとエクスプローラー。熱すぎます。マーシャル、組みしだかれて笑っちゃってるし。ちょっと石原さんと健さんのシーンを思い出しちゃいました♪

第一幕第四場「フォレス,宮廷の一室」

  • 敵と密通したマホガニー城主を処刑するレスポール王。私にやらせてください!と勇ましく申し出るジュニア!かわいい☆ 王は、いっぱいジュニアを怖がらせます☆。首の切り口がぐちゃぐちゃでしばらくユッケ食べられないだのなんだのって。ジュニア、完全にビビってます(笑)。むっちゃくちゃ上ずった声で「デモ、ワタシモイズレハオウニナルミ」とかなんとかカチンコチンになって言っちゃってます。かーわいーー!ジュニア、あかんたれやなあ(笑)。ここで、ジュニアが剣を構えたかと思うと、舞台はスクリーンのデジタル画面に切り替わって、お姿は見えなくなっちゃいます。ちょいと残念。

第一幕第五場「インヴァネスマクベスの城の一室」

  • とうとうランダムスター夫人の登場です。美しい!舞台では、伝令吉田が、CD「メタルマクベス」を再生しながらランダムスターの伝言を振り付きで伝えています。それをイライラしながら聞いたり静止したりする松さんがおかしい。うまいなあ。
  • いろいろ有ったかも知らないのですが記憶が曖昧なので、一気にランダムスターの帰宅です。そうだ、手裏剣で猫とか風太くんとかをやっつけるシーンがあったんだっけな?あれもあんまり私は笑えないんだけどな。クドカンらしい?(苦笑)
  • で、夫婦です。照明が一気に明るくなります。いやもうこのバカップルといったら(笑)。いちゃいちゃしすぎ、あまえすぎ。ランダムスターなんて、ほとんど犬状態ですよ。ワンワンキャンキャンって、アーンってお口開けてキャラメル食べさせてもらってますから(笑)。
  • でも、このイチャイチャと無邪気な様子から、王の暗殺を唆す妻、ひるみながらも徐々にその気になる夫、この展開が自然に繋がるんだから驚いた。脚本&演出のうまさなのか、役者がうまいのか、その両方なんだろうな。とっても腑に落ちる…。何というか、暗殺というとんでもない仕儀が緻密な計画に基づいたわけではない。この夫婦の勢いとか愚かさとか、その中で大それた企みが形成され、一気に実行にまでエスカレートする。運命が奈落へ転がり始めるきっかけとして、このバカップルのはしゃぎっぷりが妙に自然に収まってる。これは見ててかなりすごいと思いました。意図されたものかどうかはわからないけれど、それがどちらであったとしても、普遍的な人情の機微を直球で突いてるのかも、と思った訳です…。



やっとこさここまで書きましたけど,舞台の第一幕はまだこれでも半分にしかならないのよね…。これからきよしくんオンステージがあったりするわけですよ。ほんと何てこったい(汗)。全然終わりませんので、今日の所はこのあたりで。4時間の舞台、やっぱり長いなあ…。
 

*1:松岡和子訳より。以下同じ。

*2:名前が明かされるのは後だけど

*3:いや、いくつの設定かわからないけど