NODA☆MAP贋作・罪と罰@シアターBRAVA!(2/15ソワレ)

 本当は、16日のチケットを購入済みだったのですが、急に九州出張が入っちゃって涙涙。そのチケットは代わりに行ってくださる方が見つかったのですが*1、やはりどうしても行きたくって、飛び込みで入ってきました。あのBRAVA!です。

 あれこれ書きたい感想は有るのですが、今日は時間がないので(笑)、初見の感想程度をばたばたと書いておきます…。


 席は、舞台上に作られたXE席。パイプ椅子なのですが舞台にとても近く、どきどきの体験。たぶん、クッションぶん回していたエドガーが座ってたあたりの席かと…(笑)。通常の客席にずらりと並ぶ観客の方が、鏡に映ったように見渡せます。そうか、こんな風にあの子の目には客席が映ってたのね…なんて感慨に浸ることしばし。


 舞台展開が早い。
 ほとんどセットらしいセットも無く、登場人物一人一人が、寸分の狂いも無い動きで舞台装置を構築していく、その緩急の緊張感がたまりません。野田秀樹という人は、舞台のすべてを知り尽くしている人なんでしょうね。自分が舞台上に座らされている、ということもあるのかもしれませんが、臨場感あふれる空気が、終演までの2時間強、渦巻き続けるのがすごかった。

 
 その中で、ともかく松さんの演技には戦慄が走りました。マイクをつけぬ地声の舞台。朗々という声量じゃないけれど、はっきり伝わるきっぱりとした声。エッジが立ってる、でも耳に障る甲高さじゃなく、ただキリリと心地よい…。
 理性と理念が先に立つ、しかしそれだけに感情的にすぎる一人の女、その弱さと強さと哀しさと可憐さを、あますとこなく伝えておられました。
 どうしようもなく、泣けました。BBでも、舞台見ながらその場で泣くことはほとんど無かった私ですが*2、傍目も気にせずぼうぼうと泣いちゃいました…。
 彼女の美しい汗が飛び散るさまとミストのつばきに、誰かさんをつくづくと思い出したりなんかして(汗)。


 他には、やはり古田新太さんだなあ…。豪華絢爛の新感線の舞台とは全く違う、あえてチープな素材で組み立てた「無」を基調にした舞台。そこに古田さんがいるのがおもしろい。
 それから、おそらく最年少と思われる美波さんの演技もとっても良かったです。声がとってもいいし、姿が決まる。松さんとの姉妹の対比も効いてた。妹である彼女が潜在的に持つ人間としての強さ、よく演じきっておられたと思います。20歳?すごいよ…。


 ああ、でも、この松さんと、彼はもうじき共演するのね。きっととんでもない大きな経験になるだろうな、勉強になるだろうな、またグイーーンと大きく成長するんだろうな…。ああ、その圧倒的であろう経験を勝手に予想して、こっちまで武者震いです(笑)。まぶしいぞ…。



 パンフレットを帰りの電車の中で読みました。ずっと舞台を見ながら感じていた、学生運動ヘの鎮魂、…というかなんというかうまく言えないけれど…、やはり、でした。冒頭近くの、英が斧を振り下ろしてる「隠された」場面、そのリアリティに、すでに強烈な原体験の存在は感じましたが。

*1:いつもありがとうございます!

*2:後でレポしながら泣くのが基本パターン:苦笑