12人の優しい日本人@シアタードラマシティ(1/24ソワレ)
作・演出 三谷幸喜
出演 浅野和之、石田ゆり子、伊藤正之、江口洋介、小日向文世、鈴木砂羽
筒井道隆、生瀬勝久、温水洋一、堀内敬子、堀部圭亮、山寺宏一
これがとんでもない席だったんです。センターど真ん中に限りなく近い最前列です。どんなにすごいかと言うと、この席でBBを見たならば、一幕目ラストのウサギとエドガーシーンで間違いなく気絶する☆という、それくらいのすごさです(笑)。芝居が始まるまで、脳内妄想回路は私とエドガーの距離を一生懸命測ってました。
いざ芝居が始まったら、一気に舞台に引き込まれてしまいましたけれど、私の席からは、舞台一番奥におられる1号陪審員浅野和之さん(進藤ちゃんのパパ)の姿が見えませんでしたよ。
いやいや、いやいや、贅沢なことだ。行きたくてもチケット取れなかった方が多数おられるんですもんね。感謝感謝。ありがたいです☆でもこれがBBなら…なんてついつい(苦笑)。
登場人物の人間像では、生瀬勝久さん(ついつい、そとばこまち時代の「やりまくりさんすけ」って芸名のことを思い出したり*1)、小日向文世さん、堀内敬子さん、筒井道隆さんの役柄がおもしろかったです。
以下、その感想など。大したネタバレは無いと思いますが、少しでも有ったらいや!って方は読まないでくださいね。
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生瀬さんは、舞台上の声がすばらしい。ああいう声のことを「洪亮」っていうんですよねえ。朗々と腹に力の入ったとってもいい声。学生演劇魂を感じました。2号の、正義の名を隠れ蓑に自分の弱い自我を隠す、エキセントリックなおかしさ悲しさを、キリキリと演じておられました。彼が始めたことなのに、彼が最後に取り残される。
小日向文世さんは、ちょっと小津先生の教務主任を彷彿とさせますね。いや、全然違うけれど、一見斜に構えてて実は熱いってところあたりが…。いつも薄ら笑いを浮かべ、理詰めで人を屈服させようとする。そのくせ変わり身が早くて外面的な敗者であることも、意に介さない軽薄さがある。そんなあたり、ぴったりはまっておられました。
堀内敬子さん、面白い役でしたね。おめでたくて人の意見に左右されるのに、実はとても頑固。空気が読めずにいつも微妙にずれた所でぎりぎりついて行く…。鼻血だしちゃうし(笑)。三谷さんが与えてる人物像は、すこーしリアリティに欠けるんだけれど(全体的に女性の人物形象は、男性のそれに比べて若干不自然さが残りますね。三谷さんって、男を描く方が得意なのかな)、それでも敬子さんの無邪気な表情と場の空気を一変させる声とで、ついつい目が彼女を追ってしまいました。
筒井さんは、ある意味、一番おいしい役かな(笑)。弱気で自己主張もできず、そもそもそんなことに関心すらもっていなかった普通の男。それが、自分の直感を捨てなかったというだけで、全体の空気を変えて行く。もちろん彼自身が主導的に変えるんじゃなくって、変わらないではいられない事態に突入してた周囲の臨界点が、彼の直感に応え始める、そんな存在に、なる、なるんだけれど(笑)…彼自身はそのことに気づいていない。筒井さんの覆い難く善良な雰囲気が、それにうまくマッチしてたと思います。
カテコ、最後はスタオベでした!ヤンヤ、ヤンヤ。
えっと、私は最前列のそんなとんでもない席だったのですが、最後に一生懸命、敬子さんだけを見つめて必死で拍手しました。けいこさーん!って言っちゃったかもしれない(笑)。そしたらね☆敬子さんが気づいてね、私を見て、軽く会釈してくださったんですよ〜二回も!感動しました〜。ありがとう、敬子さん!!*2
- 会場で配られていたチラシにBBが入っていました。う、お腹が痛い…。あの、まだ売ってるよっていう態度表明ですよね。ひゃあ、どうしよう…。