『時には父のない子のように』@京都文化芸術会館

 佐藤隆太くんと佐々木蔵之介さんとの二人芝居でした。

 昔は、何度も行った京都文化芸術会館ですが、暫く足が遠のいていて…。小さいですねえ、あらためて行くと。14列目だったので、まん中くらいかなあと思ってたら、最後列でした(笑)。私の後ろはもう補助列。ちっさ!
 満席です。補助列も満杯、立ち見も出てます。千秋楽ですもんね。


 ストーリーは、とても胸に迫る話で、何度も笑いながらほろりとさせられ、最後はポタポタと涙が落ちるという感じ。二人芝居の緊張感もよかった。
 でも、パルコのサイトでアップされていたストーリーと全然違うの。どういうことかな(笑)。ほんと、前提も展開も何もかも、全然違っててびっくりいたしました。まさか関西公演バージョン?そんなわけないよねえ。
 公開されているストーリーでは、二人は兄弟漫才のコンビで大阪から上京してアパートでしがなく暮らしてるということになってるんだけれど、今日見たのは、兄が一人漫才という父の芸を継いで、大阪で一人で芸人をしている。弟は5年前に家を飛び出したっきり。
 そんな弟が、父親の四十九日にふらりと帰って来て、才能の無いまま、苦しみもがいて芸人を続けている兄に、生前の父が毎月送って来てたという父のネタ帳を見せる。兄には見せてももらえなかった貴重なネタ帳、それを弟が持っている…。父の後を継ごうと必死で稽古していた兄を尻目に、父は家を飛び出した弟の才能にひたすら期待していたのだった(というか、飛び出す原因は兄をないがしろにして自分に期待する父の存在だったりするのだけれど…)。それを知った兄と弟は、真正面から、心の底を本気でぶつけ合う魂の応酬を始め…。
 というような物語でした☆。(どんなんや!)


 千秋楽とあって、カーテンコールも何度もあり、その度に二人が飛び出して来て、ご挨拶、最後はスタオベ。本当に何度も出たり入ったり☆間隔が短くって(笑)。
 隆太君は、ひたすらニコニコニコニコ。隆太君の挨拶が聴きたかったけれど、言葉は発せず。ちょっと残念。蔵之介さん、振ってよ〜(笑)。

 蔵之介さん、真面目な方ですねえ。捨て身の演技は鬼気迫る感じでした。台詞の強弱緩急、舞台上で聴くと、ちょっと未來くんに似てる?…いや、全然違うな。時々、声が聞こえないくらいの囁きが混じるってだけの話です(笑)。
 隆太君は、いい声です。張りがあって。二人は関西人で兄弟という設定。でも隆太君はずっと東京弁。関西弁を話さないのは、彼が家や父と決別しようとした、その決意の表れなんだけれど、一度だけ、隆太君が関西弁で感情のままに叫び出す場面があって、その切り替えが感情のどうしようもない高まりを生んで(また、うまいんや!関西弁!!)、どっと涙が迸ってしまいやした(苦笑)。


 えっと、時間は一時間半程。幕間も無かった。6時開演で、外に出たらまだ空が群青色だった。短いけれど、二人っきりの緊張感でずっしりした濃い内容。
 アミーごはほぼ倍の時間だったもんねえ、身体がその態勢だったので、なんだか妙に得した(?)気分。ふんふん鼻歌唱いながら帰って来ましたとさ(笑)。いい舞台でした。


☆そうそう、場内配布のチラシに、Wonderlandを発見☆チラホラとそれを検分してる人がいます。それを眺めて、むふむふと何だか自慢げな私はかなり気持ち悪いです(私は何も偉くないし笑)。でもチケットまだ買えるのかなあ、関西ならまだ有るのかな?? 瑛太主演の『サマータイムマシンブルース』のチラシもあります。これ、映画ですよね。なんで公演会場でチラシを配るのかなあ、と思っていたら、佐々木蔵之介さんが出演されるのでした!へへん、楽しみ楽しみ。チラシの瑛太も、かわいいぞ!