最悪な人生のためのガイドブック 6/3 千秋楽

 舞台全体への感想などは、また改めてしたいと思うのですが、ともかく、最後のオノッチ中心観測メモです。これをしないと、私の連戦が終わらない(苦笑)。でも、最後と思うと、やっぱり不思議な思いがこみ上げます。 
 いやいや、まあそういう感慨は別の日にとっておいて、はい、レポです。
 
 席は、昨日も書いた通り、2列目センターです。無宗派の友人と二人並んでいたので、1幕目は携帯なオノッチにより近い右側、2幕目はキッチン&♪優しい気持ち忘れればそれでいい♪なオノッチにより近い左側に席を強制交換して観戦しました。贅沢なことでした(感謝)。
 これまで、それなりにネタバレで気にして来た台詞なんかも(あれでも、ね、一応…)、今回はいろいろ書いちゃいます。


 よーし、じゃあ、1幕目、行っちゃおうかあ!!

1幕目

  • アベコが、別れを告げる電話を入れて落ち込んでいます。マキさんがどんな人か知ってしまった今となっては、なんだかどうしてこんなに傷つくのか微妙にわからなかったりします。おもろいけったいなおっさんやんか(笑)。明るいおつきあいができそうだけどね、そういう問題じゃないのか。私も不倫ってのは全然わかりませんのですよ。
  • いよいよ登場です!いい声だなあ。最初、声だけ聞こえる演出、たまりません。
  • すごい勢いで舞台のへりまで出て来ます。かっこいいよ!お客さんに挨拶しろ!と言われ、右手にピザ、左手はまっすぐアベコとトリコを指さして「ピーザッアッミーゴ!カモン!!」。このテンションと、くしゃ顔、ドキドキします。どうしてこんなにポーズが決まっちゃうんだろうなあ。ほんと、DVD化されたら、オノッチシーンは全部コマ送りです(笑)。
  • 去り際、やっぱり「アイッ」は無かったですが、何度も行ったり来たりをやってくれました。かーわいーなー(もう、臆面も何も無い)。
  • 「おいおい出んなよ。」「…切れた…。」この辺りの妙に分別臭い言い方、大好き。オノッチ、深いです、おばかだけど意外と常識人(笑)。「ま、店長にはうまく言っときますよ。じゃねー☆」。「じゃねー」でお手手を振るのが許せません、これで、深みにはまるんだよ(ブツブツ)。あ、でもオノッチごときがうまく言っても、店長ムラキはきっと全部お見通しだろうな。
  • 段ボール担いで登場☆やんや、やんや!段ボールをどかっと置くとき、はずみでバランス崩して前につんのめってます。あの段ボール、結構重いんだろうな、ずれると怪我するもんね…。
  • ほんとかわいい…。パカパカ携帯、どんどんテンパッテいくお顔がもうね、たまんないわけね。お客さんにも、とんでもなく受けてます(笑)。
  • 「ピピピノピノピノピッ!」スピード感が初日あたりと全然違って、もうすんごくいいです☆すぐ後に続くFinger danceへの期待感もヒートアップします!こんな風に、ほんの小さな所でもどんどん進化してくれちゃうから、目が離せないんですよね…。
  • ああ、ほんとにこんなに踊れたらどんなに良いだろう。見える世界、全然違うんだろうなあ。
  • オノッチが、バイトでお金貯めてアメリカに行くつもりだった、この計画性のない夢がどうなっちゃったのか、若干気がかりでは有ります。歌はうまいし踊りはいけてるよ、まったくだよ(笑)。ブロードウェイ☆自信がねえなんて言ってるけど、いきゃあなんとかなるかもだよ。
  • ここで「ヘーイヘイヘイ!」って決めるものすごい顔も、たまんないわけです。つばが一杯飛ぶよね(笑)。こんな憎たらしい顔してるのに、こんな透明なんだもんな…。
  • 肩をちょんちょん、ほっぺに人差し指でした。頬を寄せ合う表情は、セクシー度マックスバージョンではなかったかも。でも、とても優しげな表情。乙女ならキュンとします(笑)。乙女じゃないけど、もうキュンキュンしっぱなし。ほんとに妖精のように軽快でかわいくってちょっとメルヘンチック。
  • ダンス終了と同時に私のすぐ後方で、大きな拍手がおきます。最初の一叩きから弾けるように力強い拍手…。ええ、S師匠のおられるあたりです。もしかして?(嬉)ああ、こんな風にまっすぐ拍手すれば良いんだ〜って、とてもとても感動しました。
  • オノッチの食料は、アジシオと卵でした。卵、とてもうまく剥く手真似をしておられます。実際には剥いてないけれど、時々、指に付いた殻とかお塩を、指同士をこすり合わせて落とすマネをしたり、芸が細かいです。パクリとお口に入れる芝居もしておられましたが、もぐもぐも、うまいです。さすが、梅干しでまんまとオスギさんを騙した腕前(笑)。
  • ダンスの後、昨日から、上着の右前身ごろが裏返って、裏地のテーピングが見えちゃってます。ふと、上着の裾がまくれ上がった状態でメレディスの告白を聞くエドガーを思い出しました…。ああエドガー、前触れなしに蘇るので心臓に悪い…。
  • トリコの分析を、おう、おうって真剣に聞くオノッチがかわいい(笑)。素直だなあ。この時も、真珠の粒が、同時に二つも三つも落下してます。落下し過ぎです(笑)。着地と同時に粉になって消えちゃうのが、もったいないよー。
  • 待ちながら、思うこと♪ トリコに携帯見せる所、今回は十分なトンネルの高さが有って、アベコは悠々通過できました。顎もちゃんとなでておられます。でも、あの子、すんごい汗したたってます。やっぱりアンチエイジングの美容液として収集せねば、ですよね(笑)。
  • ホットペッパーバジリコカルネ♪ドイッチの歌い出しに、傘を投げ捨て、腰を低く構えて応戦の姿勢を取るのがとても好き。オノッチは本当に嬉しそうにドイッチを歩道橋の上まで追いかけて、肩を組んで歌を歌うんだよね。ドイッチを励ませる、っていう喜びが溢れてる。…でも、ドイッチの苦悩はオノッチの予想以上に深い。突き飛ばされて歩道橋に腰を下ろして頭を抱えるオノッチが切ない、看板になぜだ!て叫ぶドイッチも切ない。でも、Because you are 42 years old♪(苦笑)完全に湿っぽくならないのが、この芝居の、元気の源たる所以ですね。
  • マキさん、「フワー!こんな声だよ、フワー!だよ。フワー!」…なんと三回も繰り返されました(爆笑)。だいたいキスも激し過ぎ(笑)。八木秘書なんか、足絡めてるし。終わった後、お二人とも笑いをこらえるのに必死…という風情です。草刈さん、何があなたをそこまで駆り立てる…(笑)。
  • ムラさんのお芝居も、「誠にお見苦しい仕儀と相成りました」が別の言い方になってました。なんだったかな?「誠にお見苦しい…わわわわわ!」って崩れるみたいな台詞回しで、これもなかなかいい!でも、私、本来のちょっと時代劇っぽい言い回し好きだったので、なんとなーく最後にもいちど聞きたかったな…(昨日も、別の言い方だったような)。
  • 失意から、新たな決意を固めるマキ社長(笑)。ここでの「エレベータ」。びりびり震え声バージョンでした。うまいなあ。そんな声、簡単には出ませんよ(いまやってみたら無茶苦茶力が要りました、しんどい)。

 うー、急に眠気が…。2幕目は、また後で。

二幕目

さて、2幕です。

  • シーフードスペシャルLサイズのお届け。オノッチの目の前で、ドイッチとアベコによるアリとキリギリス論争が展開されます。困ったような情けないような表情で二人をいつも通り交互に見てるのですが、千秋楽で、アベコに異変が。「だんご虫にも五分の魂!」を受けて、急にがたんと椅子から立ち上がり、「9割5分は胃袋なの、食べてくことが大事なの!」と言いつつ、なぜか右手をおでこ左手をおなかの下あたりに構えます*1。魂以外は、全部胃袋ってことは、動物学的にも、ないと思う(笑)。そもそも、魂はカウントしないだろ、体重に(爆)。
  • そのときです!未來さんは、素の表情できょとんとして、一瞬(二瞬?)、アベコを見上げてとっても嬉しそうにニコッとされました。なんかねえ、もうねえ、つぼみがパチンって開いたみたいにかわいかった…。ドイッチは笑いながら「なんなんだよー」なんて言ってます。でも、その頃には未來さんの表情はオノッチに急速に戻っていて、「あんたたち見てると勉強になるなあ」の時には、完全に芝居へとモードを巻き戻しておられました。絶対にぐだぐだにならない、ベテラン陣の奔放な舞台回しに翻弄されない、ダンスと同様軸のぶれないその姿勢に、胸が痛くなった。…だからよけいに、あの一瞬の花のような笑顔には降参です。Wonderlandへの入り口が見えた気がした(笑)。
  • それにしても、「エアポケットタイム」って何を示す業務用語?暇だから外出オーケー時間ってこと?店長まで出て来ちゃってるし、オノッチは人ん家のリビングに腰下ろしてるし、ドイッチは早引けだし…。ちょっと店内手薄になり過ぎじゃないこと?(笑)
  • ビールのプリングルをシュパッ。そういうと、一度だけクマちゃんがそのままビールを一口飲んじゃったのを見たこと有りましたが、それ以外は必ず、水筒の蓋に移し替えて飲んでおられます。でも、一瞬の躊躇が有るよね。そのまま飲みそうになる強い心の動きが常に垣間見えます(笑)
  • 直加さん、最高です!パンツが見えようがどうしようが、とことん炸裂してます。でも、ぜんぜん嫌らしくならないのがさすがもと男役。カラッとしててお茶目でダイナマイトな八木秘書、すてき!
  • マキ社長、森のレストランで、また椅子から転げ落ちてます。いやあ、立派です。座組み最年長とは思えません。アザとか一杯だろうなあ。ほんと、訳わかんないよー(爆笑)。是非是非、パルコのサイトで草刈さんインタビューをやっていただきたい。何があなたをそうさせたのか…。不思議過ぎます。笑わせ過ぎです(笑)。一緒に行った私の友人は、かつて草刈さんファンの経歴が有るので(笑)、もう大受けに受けて引き攣ってました。ラブリー草刈です!
  • あーあー、歩道橋の下ー、走る自動車がー、ピンクの像に見える♪。この歌、大好き。すぐ後に出てくるフェアリーを待つ気持ちも、大好き。
  • 力強いダンス。裸足のピタッピタッという音と、まっすぐに伸びた長い足指と、たくましい太ももと、それが旋回して作る空気の同心円と、ミルキーな髪の色と、透き通る肌と、ギラリと光る目と…。
  • ここでも、ちゃんと拍手ができました。もうね、こっちの脈拍が上がっちゃってるから、手が震えるんですよね…。音が他の箇所に比べて少し小さめなのはそのせいだと思う(苦笑)。みんな落ち着いて見てられないんだよ、ドキドキするんだよ…。
  • ゴミ袋、ドイッチ、完全に客席に投げちゃいました!三列目の右端に落下。慌てる川平さん(笑)。受け取った方が舞台上に投げ上げます。キヨッペと手をつないで下手にはける時、川平さん、振返ってその方に頭下げてます(笑)。川平さんって、とっても真面目な方ですよねえ。カテコ見ててもそう思う。決してはめは外さない。
  • ドイッチ宅の修羅場。「おい!ほんとかよ!」と激しくドイッチに迫り、キヨッペを振り向いて、「キヨッペ、おい…きよっぺ…」。二回目の「キヨッペ」が、少したしなめるような口調になってるのが、泣けます。「あんた、何しに来たのよ!」ってキヨッペに泣きながら言われて、「謝ろうと思ってな」「ドイッチに相談しようと思ってな」。千秋楽も「な」がついてる。えっとね、無い方が、私は好き(笑)。
  • 「軽率なあんたも悪いけど、俺の方がたぶんもっと悪い、そのことを考えないといけねえんだ」。こんないい子、どこにいる?(涙)なんていい言葉だろう。自己が肥大化し、傷ついている自分ばかりに思いが支配される人間がほとんどだというのに(私も含め…)…。このオノッチの言葉は、きちんと原因を見ようとする強さを含んでて、単なる「自分を責める」方向に完結しない*2。こんなに落ち込んでいるのに優しさがにじみ出て、ほんとにいい台詞です。鈴木さん、すごいです。それを、胸に迫る、とびっきりの若さと切なさで表現する未來さんも、ほんとにすごい…。
  • もーしも、ぼーくーが、だーれか…。睫毛が作る目元の陰翳がたまりません。パルコの最前では、目がくらんで直視できなかったけれど、2列目からならOKです(笑)。ひたすら見つめさせていただきました。きれいな目だなあ。
  • シェフなオノッチ、かわいい☆。キッチンでキヨッペと仲良くじゃれてるのがたまりません。包丁さばき、上半身の動きしか見えないけれど、すごくサマになってるんじゃないですか?またいっぱい研究したのかな。細かい所でも芝居をごまかさない未來さんのことだし(笑)。包丁を引いて切る手つきとか、かっこいいよ!
  • 長ゼリフも、安定していてきちんと言葉が伝わって説得力があります。「世間ってえのが信用できなくなってる」「金儲けが目的かというと違う気がする」「いい会社に入ったら親は喜ぶけどそれがなんだ!って気がする」。ほんとその通りです…(グスン)。「人生は金や出世がすべて」なんて、若い時には誰も思わない。でも、普通の人間は、徐々にその直感的な疑問を、自分以外のルールを持ち込んで折り合いをつけることを学び、わからないから当てずっぽうに答えを書いて、試験場を後にする…その通りですよ(グスグス)。ドイッチの、当てずっぽうに答えを書かない生き方を「かっこいい」って思ったオノッチは、ほんとにスゴイです。答えを書かないでいられる理由が「友達」にあることを見抜いて、それを、自分は答えを書く決意をしたその理由づけに消化していく。そんなタフな精神と脳みそもスゴイ。キヨッペの心を見つめようとした、心の動きと同じだね…。鈴木さんと未來さんが作り上げたオノッチって、心と脳みそのひだを一杯持った、本当にまっすぐで優しい素敵な男の子です…。未來くんに、思いっきりだぶらさせてもらいますが、勘弁してね(誰に言ってんだか…)苦笑。
  • お目目のこじ開けはなかったです(笑)。でも、キヨッペの首根っこは掴んでた(笑)。
  • キヨッペとぴったりくっついて、オレンジのクッション抱えて揺れてるオノッチ、かわいすぎ…(笑)。肩は抱きませんでした。うん、この方が二人のママゴトみたいな仲良さが伝わっていいな。
  • 昨日の、カテコレポで書き忘れたこと一つ。
  • 二度目かな、舞台奥から登場する未來さん、近江谷さんと二人並んで、漫才コンビが舞台に出てくるときみたく、腰を低く下げ、膝辺りで細かく拍手しながらご登場!そのまま、「オノッチでーす」「クマちゃんでーす」「二人揃ってオノクマでーす」でもなんでも、もうやけくそでやってくれても良かったです(笑)。


 とりあえず、終わり、ました…。思い出したことが有れば、また少しづつ追加しますが、とりあえず、3週間のオノッチ連戦、これで幕を閉じました。
 こうもりみたいなトランス状態、夢遊状態には、(幸い?)陥らなかったけれど、舞台そのものの誠実なあり方と、何といっても膨大な台詞量、端折らない丁寧さに、脳みその方が引き込まれました。で、大学の劇団がもつような小劇場系の世界を消化して一公演ごとに新しい魅力を輝かせる未來さんに、やっぱり目が離せなくなりました。
 BBとは違う新しい何かを確実に手にして、また次の世界に、キラキラ光りながら飛び出して行かれるんでしょうね…。はたち、かあ。何だってできる。何もこわくない。仮に傷ついても、治癒力の方が完全に何十倍も上回っている時代。彼を見てると、ほんとうに人間ってすばらしいな、生きるって大事なことだなって思います。
 たっぷりの元気をもらえて、とても幸せでした。
 ありがとう!!グラッチェ アミーゴ!

 さーて、これから久しぶりに掃除でもするかな。

*1:アベコ、「いや、9割5分だからこの辺り」って、右手の位置説明をぼそぼそしてます。笑

*2:「自分を責める」というのは、自家撞着の危険性があるもんね、つまりは「人を責める」の裏返し…