沙漠とオアシス

 沙漠といって思い出すのは、学生時代、友人達と放浪した中国西域のウイグルゴビ砂漠です。
 砂嵐やじりじり灼ける光線のトルファンには、町中のそこかしこに遠く天山山脈の雪解け水が伏流水となって湧き出るオアシスがあって、そこに流れ込む水流の激しさと冷たさ透明さには、もうもう奇跡を見るような思いがしました。その憩いの場を形作るささやかな石組みと頭上に組まれた葡萄棚、緑色の小さな葡萄がたわわに実って、足元には鮮洌な水の流れるクリークがあって、そこだけヒンヤリとなおかつ華やいだ空気が流れていて…。
 鮮やかな色のワンピースとスカーフを身にまとったウイグルの少女。エキゾチックな瞳のその子と、お互いかたことの中国語で話をしたことなんか思い出します。彼女の話す中国語が、時々私と同じ語順の間違いを含むのにハッとして、たまらなく愛しい思いがしたことも忘れられない。ウイグル語がトルコ語に近く、日本語と同語系*1に属することを知ったのは、帰国後の言語学の授業でした。真っ先にあの美しい女の子の顔が目に浮かんで、同時にあのゴビの風の匂いで頭が一杯になった。
 何を見ても涙が出るほど感動してたなあ。真夜中に着いた駅でコーランが流れていたこと、フルーツたっぷりのバザールでメロンを食べておなかを壊したこと、小さな屋台で食べたトマトパスタのおいしさに驚いたこと。葡萄だなの葡萄で作ったワインの甘さに大笑いしたこと。沙漠の中、ナトリウム灯のオレンジ色でドームのように丸く浮かび上がった都市、そこへひた走る沙漠の夜汽車から、何時間もそのドームの灯りを眺めていたこと…。

 考えてみたら、ちょうど今の未來さんくらいの歳だったのですね…(苦笑)。
 それを思うと、また人間への愛おしさにぐっとくる。で、なんだかそんな深い感動を生かせぬまま、ここまで来てしまったかもしれない自分へのちょっと酸っぱい思いと…。


 おっとっと、オノッチに会って、いっぱい笑って元気をもらうつもりなのに、どうしたことだ(笑)。
 でも、未來さん見てて時々ふと切なくなるのは、それは偶然ではなく、深い所に確かな理由があるみたいな気もしていて…、えっとこれ以上はイタ過ぎてとてもシラフでは書けませんが(笑)、個人的には、それを確認しに舞台を観に行くなんてこともあったりなんかして…(苦笑)。
 まあ、やっぱり彼は妖精だということで(笑)!ともかく新幹線に乗りやすぜ!!

 今日の席は右サイドなので、携帯を打つあの子を気味悪く切なく見て来ます。いざいざ!!

*1:厳密には色々違いはあるみたいですが