え、録音?

 昨日は、生涯初めての経験をしてきました。こちらの映画会社でセリフの録音です!……なーんて、別に俳優する訳じゃないです(あり得ない:笑)。こちらの友人が、戦前の台湾を舞台にしたある映画の仕事に関わってて、そのお手伝いってかんじです。
 当時の台湾の時代考証をすると、役者が日本語を使う方が史実に叶う、っていう場面があるんですよね…*1。例えば、警官と話す、学校で友人同士で話す…。そういう場面の中国語で書かれたセリフを日本語に訳して欲しいと言われたのです。まあ、そんなに大変な量じゃないしってんで何となく引き受けたのですが、当時と今とでは日本語自体の使い方も違うし、それに脚本では、知識人同士がけっこう小難しい議論をしたりするんですよ…、そういう時に登場する本の名前とか、当時の書名も調べないと行けないし…、予想外に時間がかかりました。会話のやり取りも、普段は村上春樹のノリですが、必死で太宰治を思い出しました(笑)。
 でも、まあ一応完成し、はーいできたよーって持ってったのですが、撮影スケジュールが押してて時間がないとかで、役者のセリフ練習用のテープ、お前がそのまま吹き込んでくれ、なんていわれます。「えーっあんたら、わたしがべたべたの関西人やて知ってるか?」と抵抗はしてみたのですが、晩ご飯ご馳走してやるという甘言に乗せられ、気が付いたらヘッドフォンをしていました。ーーなーんてのは嘘です(笑)。そんな漫画みたいなことはあり得ません!
 「私の日本語は、ものすごい関西弁よ」「え!そうだったの…どうしよう」。真剣に困った顔されて、むくむくとどーでもいい負けず嫌いが頭をもたげ、つい「まあ、この程度なら東京弁でも話せるけどね」なんて言ってしまったのでした…ほんまか!…。でも、頑張りました、東京弁(笑)。
 どんな俳優さんがやるのかなあ。ちょっと楽しみ!!でも、できあがりの映画で主人公が関西アクセントだったら、私のせいですね(汗)。

*1:あまり立ち入りませんが、つまりこちらでいう「日據時代」という…