『CINEMA SQUARE』VOL37, 2011

 桐ちゃんちで発売情報を教えてもらって買ってきました。岡田君が表紙!
 『セイジー陸の魚ー』関連記事は、PP.52-53の見開き2ページ。
 良い記事です。写真は、HOUSE475の映像や河の中の撮影風景をのぞけばほぼ既出。でも、西島さんとの、そして未來さんとの、それぞれのインタビューがなかなか読み応えあります。
 西島さんが、セイジと言う人物に踏み込み同化した発言(それ故にこそ平易で身体的な表現)を繰り広げられるのと対照的に、森山未來の方は、打って変わって観察者的で尚かつ分析的、また言葉の選択が、具体的事象を抽象化し消化する過程をうかがわせるようで、とても興味深かったです。役柄がそうさせるのかもしれないな。もしくは、彼自身のブッキッシュな思索脳に、この作品の何かが敏感に反応したのかもしれない……。
 とはいいつつも、今回のインタビュー、彼の思考の筋道がとても明晰でわかりやすいのは、読んでて気持ちいい。いままでにも良くあった、思いが先行して言語表現は迷走しがちっていうのもーーいやそれもホント大好きなんだけど(笑)ーーそういうのは最近とんと鳴りを潜めてるものね。
 こんな彼のことばを読んでいると、6年前の『CUT』(2005.4)で当時の編集長宮嵜氏が未來さんを称した、

長く自らの肉体と会話を繰り返して来た彼が、感情の沸点を表現しているときでさえ、どこか理知的な、すぐれた知性を感じさせてくれる…(中略)

という言葉を、改めて反芻したい気持ちになります。
 高度の身体性と、優れた知性……
 これがこの人の表現力を決定づける、大きな推進力なんだろうなあ。
 ……なんて。

シネマスクエアvol.37 (HINODE MOOK 67)

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