pppp『窓』@大阪シアタードラマシティ

 今日は仕事がずっとイレギュラーで、時間が読めずバタバタと劇場に駆け込んでしまいました……と思ってたら意外と早く着いて(バタバタしただけ)、ゆっくりサンドイッチを食べたりしつつ開演を待ちました。なんやそれ(笑)。なんか準備の都合とかで、ちょいと時間も押しました。
 劇場に入ると、舞台装置が見えた状態でずっとBGMがかかっています。それを聞いていたら、ずっと忘れていた『ネジと紙幣の』オープニングの音楽がふいっと蘇ってビックリした。おかげでずーっとその音楽が鳴り響いてますよ、今も(笑)。いやこれ『窓』だから(苦笑)。
 
 舞台、とっても面白かったです。
 まず、集団というか群衆的に登場する人物達、そのステロタイプな祝祭性「ハレ」に、対する清輝(高橋一生くん)と貴枝(ぼくもとさきこさん)の日常性「ケ」が際立つ形で物語が始まります。でもすぐに、その対称性がまったく無意味であることが明らかになっていく。誰の心の中にも祝祭性(狂気)は宿るし、それは事と次第で倒錯の境地にも気脈を通ずる。その危うい臨界点が登場人物それぞれの中で右へ左へと大きくぶれるさまが、リズム感溢れる台詞と空間によって舞台上に浮かび上がる。
 小林さんは相変わらずいいお声!近藤フク(ネジでは近藤智行さん)はすごく可愛かったし、吉川純広さんは、見事なちんぴらぶり&危険さで、血染めのシーンでは、やっぱり「ネジ」の土手シーンを思い出してしまいました(ちんぴらだし血だし…苦笑)。劇団員の人達、皆さんさすが!すごくうまかった。
 高橋一生君は、ほんとに可愛らしいですね。繊細で理屈っぽくてでも感情的でモラトリアムな清輝を見事演じておられました。お衣装が、時々フジ@モテキと被ってたのに一々反応してたのは秘密です(笑)。だってチェックのパーカーに半パンでバッグ斜めがけなんだもん♪
 野崎麻帆ちゃん。かっこよかった!でも、よくよく見てると、女王蜂さながらサロンの中心を占めてるのに、どこか自信が持てきれていない。そんな可愛らしさもうまく演じておられたな。
 それにしても、冒頭の靴、中盤のランニングシューズ。執拗に繰り返される「靴」のイメージがなんのメタファだったのか…。ちょっと気になります。ネジのラストで、ゆきちゃんが「靴」を手にしたまま臨界点を超えた様子が、ふと思い起こされたり……。
 カーテンコールでは、大千秋楽ということで、役者一人一人の紹介、最後に倉持さんも登場されて、やんややんやの大喝采でした!