吉例顔見世興行@京都南座
世の中はクリスマス一色でしたが、こちらは師走恒例の顔見世です。
今年は、仁左衛門に玉三郎、おまけに藤十郎*1に菊五郎*2です。
ほんとは昼夜通しで見たかったのですが、夜はもうチケット買えず・・・。いえ、25000円出すのなら有ったのですがさすがにそんな身分不相応なチケットは買う勇気が無く・・・。
不良でいなせな仁左衛門の松吉@「お祭り」、絶品です。
鳶姿なんだけれど、袖口と襟元にのぞく真っ赤の着物の裏地がこれがまあ色っぽいったら無い!たった一人でほろ酔い姿で舞い続ける色男っぷりったら、もうもうもう。
続く「封印切」。近松「冥土の飛脚」等々をミックスに翻案した狂言の一場面です。
傾城梅川(秀太郎)を身請けするために、公金の封を切ってしまう飛脚屋の忠兵衛に藤十郎、公金に手を付けざるを得ないまでに追い詰めけしかけ唆す恋敵八右衛門に仁左衛門、忠兵衛と梅川を応援する女将おえんに玉三郎。この仁左衛門がまた悪いんだ!男前なのに性悪、似ても喰えない男をこれまためっぽう可愛く演じてくれちゃいます。何なんだ〜、この65歳。
玉三郎は、私は最近、こういった女将だの遣り手婆だのって役回りばかり見てるんだけれど、夜の部では花魁なんですよ〜。綺麗ですよ、番付の写真見ただけでウットリだもの〜〜。ああ、見たかったなあ。でも、縞の着物に縞の半襟、裏地が薄桃色の小紋ですよ〜。こんな組合せで粋なんて、有り得ないわ〜〜。
顔見世はともかく着物が豪華。
「一條大蔵譚」の大詰で菊五郎がまとった衣装なんて、もうねえ、いやあ、溜息ですよ〜!白の羽二重を一瞬で裏返して、橙々の市松模様、金の刺繍で飾られたお着物を、まるで後背のように広げて大見栄を切る姿なんて、いやあ拍手喝采!!大向こうの「音羽屋!」の掛け声にもうっとりです。
ああ、これで良い年が越せそうだわ(笑)。