大阪初日、簡単メモ

 改めまして。
 日付詐称気味ですが、簡単に感想を。
 
 東京と比較すると、ゆきちゃんの言葉の色彩や緩急、感情の落としどころや可愛らしさやら、いろんなところにマイナーチェンジが有りました。マイナーチェンジというよりは、いろいろ試してるのかな?というそんな「生きた」感じのする舞台でした。
 お客さんは、冒頭の場面では全然笑わないので、お、大阪シビアだね〜〜と思ってたんですよ。でも、途中から笑いのスイッチが入りましたね。特に、場面が兼坂部品工場に移ってからは、基本、笑うぞ態勢に客席がシフトしたのを肌で感じました(笑)。なんでだ?新喜劇の舞台装置に似てるからか?あ、松竹の方ですが(苦笑)。



 以下、畳みます。ネタバレ、思いっ切り含んでます。
【追記】途中までで沈没してたの、取りあえず最後まで終えたつもり、だけれど、うーん、文章意味不明なところたくさん残ってるなあ…今は直す気力がないので、もうこのままアップしちゃいます、お見苦しいの、すみません。意味のわかんないところはまた後で直す…予定です(苦笑)。
【追記2】あ、大事(?)なこと忘れてた!ので追加しました。靴のところです♪








  • まいちまえ!のゆきちゃん、すんごい悪声でけしかけてました。妹とゆきちゃん、何だか妙に似てますよね…てるちゃんより気が合ってる感じがする。「いいお兄さん」ですよ。ゆきちゃん…。
  • 小屋の中で赤地たち発見で騒ぐ三人。ぎゃんぎゃん言うゆきちゃんを後ろから道草が引っ張った拍子に、ゆきさん後ろにぐいーんと仰け反ってすごい態勢になってました!すぐバネみたいに元に戻ったけど(笑)。
  • 「断っちまえよ〜〜」って言いながら、くるみちゃんにクネクネするところ、私が東京で見たのは脚の重心を左右に移してクネクネってのばかりだったけれど、今日は、両足揃えてピョンピョン踵を浮かせてました。ちょ、かわいいんだけど!
  • 草太の脚をバタンと落とし、土手の途中で右手方向を見やる後ろ姿。この時、直前の跳んで跳ねての影響か、行人は肩で息をしてるんだけれど、この時の背中といったら! 肺の動きと共に、骨格全体が閉じて開いてるんですよねえ。背中の肩胛骨が閉じたり開いたりしてるの!君は鳥類ですか?!っていうか、なんて美しいんだ…ってことなんですけれど(苦笑)。
  • 赤地が息を吹き返した後、土手をすまして上がるのは、二段抜きくらいで上がってました。確かにこっちの方が自然かも。
  • そういうと、少し遡るけれど、赤地が道草をぶんなぐって土手を上がるところ、あの「ゆかいなものA」に引っかかって少し土手を滑り落ちちゃいました。だので、ゆきちゃんのジャンピングアタックも、少し低い位置で実施、でした。
  • 何度見ても、この時の永太郎の、「……けんかなんかして……」が怖いです。ほんと怖いです。
  • わかちゃん、栗尾さんに言う最後の「へえぇぇ…」がすごかったです…。「へ」の子音が落ちて、殆ど「ええぇぇ」って感じ。コミュニケーションなんかじゃない、ただの「音」を無情に発してましたよ。で、その後、ゆっくりゆっくり、柱に手を掛けて徐々に消えていく…。その姿は恐怖を伴って栗尾さん&聴衆に刻み込まれます…。
  • マイナスイオンが出てこないゆきちゃん、「滝」の所で、二回言わないと行けないの、一回でぐちゃぐちゃ、何だかホントにことばが出てこない感じで、見事切り抜けてました。最後はちゃんと「身体に良いんだよ!」って言ってたし。
  • ゆきちゃんのお土産を受け取った辰男さん、「お母さん〜メンツカトゥ!」って叫びつつけつまづいてました。それを振り返ってニッコリ笑う行人が美人過ぎるんですけれど(涙)。
  • お母さん重役が語ってる間中、またたき1つせずに地面を凝視してましたよ、ゆきと。
  • バカにされない車ですか〜ん。
  • 私、「ちょっと待ってろ」って栗尾くんに言って、服を取りに家の方に歩いていく、あの未來さんがすごく好きなんです。舞台の下手の端から、真っ直ぐ上手の端まで行って、さらにその奥に消えていく…。堂々と舞台の前を胸を張って大股で歩く行人…。彼の内心の孤高さが浮かび上がるようです…。でもその複雑な内面に、誰も気づくことができない…。
  • お茶の間シーン。ゆきちゃんとわかちゃんのシーンは、とーっても良いです!「全部うまくいったら、俺が仲に入ってやる」! 二人のシーンにはほんと不思議な情があります。ゆきちゃん、わかちゃんのこと可愛がってたんだろうね。彼が、わかちゃんにだけ見せられる姿…。でも、そのわかちゃんも、ずっと全部を知ってて自分には何も言わないでいた、裏切られていた…。それを知ったゆきちゃんの、自嘲的な冷めた凍えるような口元の小さな笑いが、今日はよく見えました…。
  • てるちゃんとのとっくみあいシーン。てるちゃんの渾身の力に、ゆきちゃんのオレンジのシャツが完全に肩ぐらいまでまくれ上がってしまいました。背中が露わになるゆきちゃん…。えっと、なんて芸術的な背骨でしょう!余計な肉が一切付いていないよ〜うつくしい…。
  • 水を掛けられて髪が濡れたゆきちゃん、椅子に腰掛けながら、髪をかき上げてはっきりと目が見えます。「うん」って言うわかちゃんを、「え?」という感じで振りいて、その直後に口元に冷たい自嘲の笑いを浮かばせる、その時の表情もちゃんと見えました…。ああ、やっぱり目が見えるのがいいよ〜〜。それ、見せなきゃ嘘でしょう〜。ゆきちゃんの突っ張りの哀しさがグサグサ響きますよ。こんないい表情、髪を下ろして見せないなんて、おかしいよ、なぜなんだ?謎謎謎。
  • ともかくてるちゃんとの言い争い。東京では時に細見さんの声量のすごさに圧倒されてたように思ったけれど、大阪のゆきちゃん、声量でも声色でもまーったく負けてなかった!! 台詞の一つ一つ、それぞれの心を込めてるから、刻一刻と言葉の響きも変わっていく。怒鳴ってもただそれだけじゃない。むしろ、細見さんの方ががなりすぎ…に聞こえたくらいですよ。いや、すみません、でもホント(汗)。
  • お父さんに悪態をつく台詞。これもすごかった。東京でももちろん凄みが有ったんだけれど、なんというか、憐れさや躊躇のかけらもない、破滅的に言いつのる、憎々しさが溢れ出てました。行人は何かを強く憎んでる…そんなことをふと思いました。
  • お母さんがふすまに投げ飛ばされるところ、「うわっ」という驚きの声が(@客席)。
  • お父さんにぶっ飛ばされて、棚から段ボール箱がバラバラって落ちるところ、1つの段ボールを工場に蹴り出されるまで掴んでて、工場と家との間の敷居にへしゃげた状態でひっかかってました。
  • お父さん、すごいね!で笑いが(@客席)。
  • くるみちゃん、強いなあ…。何度見ても感動する。
  • コップを漂白する、洗濯物をストーブで無理矢理に乾かす、桃子の危うい心理がうかがえます。彼女も何かを強く憎んでいる、たぶんそれは自分。憎むほどに執着する自我。
  • ゆきちゃんは、殺す気なんて全然ない、お金を借してもらおうと桃子に近づいて、拒絶されて引き返す…「知らなかったよ〜、お前がそんなに金に執着してるなんて…つくづくいやんなるよな、貧乏ってのは…」の言い方が、静かで諦めに満ちていて、それは自分にも投げかけてるから余計に嘲笑的なんだけれど、でも、こんな言い方されたら桃子はきついわな…と感じる程の救いのなさ。直後の「ああ、ホッとした」も、悪態をつくって言うよりも、何だか諦めきったような、突き放すような冷めた響きを感じて、ああ、もうこの二人は生きていけないな…って、つくづくと思い知りましたよ…。
  • 靴をゴシゴシこするゆきちゃんの姿が、今日はよく見えました。途中で手を止め、すごい勢いで靴を叩きつける、その音にギクリとしました。スイッチが入った、その音が聞こえました。
  • そうだ、忘れてた。「ベトベトじゃねえかよ」が「ベタベタじゃねえかよ」でした。関西弁ですか?(苦笑)私は「ベタベタ」と言いますが。
  • でも、ナイフ?を持って立ち上がり、一旦桃子を脅して取っ組み合っても、強く抵抗されて、いろんな物がガタガタとなだれ落ち、油缶がひっくり返った時には、まだ一旦我に返るんだよね。油から身を守ろうとする…。なんだよお前自分から…って言いながら油のただ中にいる桃子から離れようとする。でも、その後の、桃子の容赦ないことばに、すべての結界が消失する。油によって保たれていた結界が消失する。
  • 油の中に躊躇無く足を踏み入れることが、彼にとって死を意味していたなんて、なんて皮肉なことだろう…それじゃ、行人はもう生きていけない。「先」どころか、「最初」だって無い。部品工場に生まれた時から、その最初の最初から、行人は生きてなんていけなかった……。「ぐれて家業を手伝わない」ってことだけが、彼の生きる唯一の道だったんだね…それが彼の「役割」。


 なんか端折り気味ですが、何とか最後まで来た、かな?
 もう一度、寝ます、おやすみなさい(苦笑)。