『装苑』2008-7

 これは問答無用、もう何も考えずに、すぱっと五秒で購入をすませてください!間違っても、店頭で頁を開くなどという愚行に及んではいけません。そんなことした日にゃあ、後どうなっても知りません。公衆の面前で怪しい人になっちゃいます!これに似たこと昔有ったなあ…と思ったら、そうなんだ、2005年3月の『テレパルf』の衝撃があったんだ。思い出した*1

 
 いやしかし、これはすごいよー(涙)。こんな風に舞う姿を誌面で見られるなんて、思いもしなかった…。「ほんとうには踊ってない」とは本人の弁ですが、しかししかししかし……。
 ああなんてきれいなんでしょう。真っ直ぐ伸びた足と手と首に巻いた巻物と…。無心な表情の先にある指に、まるで何かの感情が宿ってるように思えて、この舞う人の後ろにある物語をドキドキ待つ気持ちになる。次の頁の、腰をかがめた姿もそう。一直線に尖った三角形に屈められた左足が、この後伸び上がり回転したに違いない彼の上半身を支えて、どんな弧を描いたんだろうか、今にも動き出しそうなその姿を前に、時間の感覚までもがあやふやになる。

 かと思ったら、スツールに腰掛けてどうしようもない色気を見せてるし、そうかと思うと目をつぶった表情はむしろあどけなくて(タツトシみたいだ)、役者の表情ですよぅ。
 踊り、演じ、思索する人、なんだな。それはホントにずっとそうなんだろうな…。「おかされる」と、「犠牲」と、そう言いつつもそうならざるを得ない自分の在り方を、「後付け」ではないイマの言葉で表そうとしてるんだもんナ…。ドキドキとこの記事を読みながら、2005年『Cut』4月号で宮嵜広司さんが、“向こう側に豊かな物語をしっかりと感じさせてくれる”“感情の沸点を表現しているときにさえ、優れた知性を感じさせる肉体”(要約)と表現されたことを思い出したりしました。構築しなおす途上で語られる言葉は、次の表現を待つ状態だけれど、彼が肉体と会話しながら思索している、それはきっと全然変わらないんでしょうね。


 やっぱり踊る彼を見たいなあ。映像で豊かな表情を見せる彼も大好きだけれど、こんなの見ちゃうと、もうねえ、たまんなくなります(涙)。
 えっと、普通に考えて、まだまだ未掲載の膨大な写真があるはずですよねえ〜(苦笑)。それって、もう日の目を見ないのでしょうか? 連続写真でぜーんぶ見せて欲しいよ、もったいなさすぎるよお〜。

 この素晴らしい写真を撮ってくださった写真家さんは、Takashi Kamei(亀井隆司)さん。ファッション誌などを中心に活躍しておられるみたいですね。モデルさんの動きのある表情をとらえるのが得意な方?なのかな。


 とにもかくにも、降参です。といいながら、よく書いたよ私(苦笑)。

*1:kちゃん思い出すた!