『被取締役新入社員』@TBS

 不思議な2時間だった。ハケグチくん。一言では言えない愛しさです、なんてったら良いんだ?(苦笑)
 基本、呆気にとられ理不尽な思いに囚われてました、そんで、はけ口になっていることに喜びを感じ出して、わざとCD-ROMをすり替えてしまう信男に、痛快だと思う反面ちょっと腹が立ち(複雑)、だのにちょっとした弾みに寵児となってぶいぶいやっちゃう姿が浅はかなのに妙に愛しくて、でもブームはすぐに去って神通力が失せてしまい、彼はその間実は何も変わってなかったってことがわかったのに意外なことにその姿に安堵し、でも隠されていた彼の魅力みたいなものがチラチラと現れだしてその力が会長の意図とは違うところでチームを換え始めてるように見えて、そんでそうこうしているうちに、早送りで回された時間の流れの中で、ずーっとやっぱりダメダメダメなのにちゃんとチームの一員として何となくみんなから愛されてる姿が浮かび上がっていって、その有様に感動して涙し…。そうだ、桐谷健太くんにかつあげされる姿にも泣かされて…(涙)
 
 ええ?でもそこで去っちゃうのか?!去ってしまって名古屋支社か??!!ええ〜〜?

 …特命役員待遇は取り消されて、そのまま平社員としてチームに本当に無くてはならない人間になっていく、ってオチかと思ったましたよ…。でも、そんな風なハートウォーミングではすましてくれなかったですね(苦笑)。これじゃあ、続編がないとおさまりがつかないよ?(苦笑)


 今回改めて、未來さんの、身体と表情で魅せる演技の冴えっぷりには驚かされました、すごいよあなた(感嘆)。
 ボソボソしゃべりで説明風の長台詞が有るわけでも何でもないんだけど、身体の動き・歩き方・表情の冴え無さ加減、そして何より、此処でそれをするか!!という行動様式の突飛さとリアクションの思い切りの良さ、ほんっとに雄弁だなあその身体!
 扉が閉まった後にペンギンのようにひょこひょこ歩き出したり、そうかと思うと両手を同時に振って歩き出す信男の後ろ姿は、きっと顔はシメシメ♪ってご満悦なんだろうな〜って想像させたし、お風呂の番台の様に高い会長室のデスクに、食らいつくように両肘をついてへばりついてる姿は、積極的なのか消極的なのかさっぱりわからないんだけど、それが却って「どうしたらいいんでしょう?!」って情けなくすがりついてる心情を如実に伝えてたし(驚愕)。忘れ物の資料を届けなきゃ!と走り出し、階段をかけ降りる姿の必死さと常軌を逸した(?)感じは、信男一世一代の本気、その健気さと危なさ全開状態で、思わず手に汗握ってしまいました…。
 早送りシーンなんて彼の真骨頂だったですねえ。身体表現の雄弁さが際立った演出になってました。時間の流れの速さをあれで見せてるのもわかるけど、同じような行動がバタバタと繰り返されてる中に、相変わらず真剣にドジを繰り返してる信男の姿が確実に「見え」て、その彼の存在がちゃんとチームのカラーを作ってるのが見えましたもん。

 うん、なんというか笑わないでね、何度もチャップリンを思い出してしまったですよ(苦笑)。彼の身体表現の的確さと大きさと思い切りの良さ、ほんとに無声映画のようで。
 そういう意味では、これが声のみに「ラジオドラマ」の対極として置かれたのは、企みとして成功してるのかもしれないですね。本音を言うと、後2時間、欲しかったですが(苦笑)。

 
 今日はもう寝なきゃ明日ダメダメになっちゃう。時間ができたら録画見直してもう少し細かく書いてみたいな、これ。でもいつのことになるやら…。