『刑事の現場』第三話

 もう明日が最終回だというのに、第三話の感想もないんだけれど、書きかけた感想が『ルーキーズ』ショックでぶっ飛んだというあたり、ずっと自分の中で宿題になってました。ので一応(笑)。

 放映時はリアルタイムで見られなかったんだけれど、翌日から、何度も見てます。私服啓吾。取りあえず記憶を取り戻すために箇条書きで。順不同!

  • 子役のうまさにびっくり!曽根真理子の息子のひとしくん。可愛いしうまいし、たまんなかった泣かされた。自販機前で啓吾とぶつかった時も、ためらいなく飛ばされてアスファルトにこけてるし〜。未來さんも気をつかったろうな、防具でガッチガチじゃないんだもん、ひとしくん。で、その後、走り出す姿がかわいすぎます(涙)。ちっちゃい子がフード付きのパーカー着て走ってる後ろ姿なんて必殺技にも程があります(泣)。
  • でも、ちっちゃい子じゃなくても、フード付きパーカー着てマフラーぐるぐる巻きになってる啓吾、これも確信犯的に可愛くて格好いいんですが!話すときに一々マフラーをおろすのがまたね〜。やっぱりマフラーに埋もれて、話すときに面倒くさそうに顎を上げていた真っ白の井本を思い出しました。
  • おまけにマフラー取ったら、その季節にそのTシャツはないだろうという胸元の緩さだし。ええ、衣装さん、NHKだと思って侮ってました。すみません降参です(苦笑)。そりゃあのデコルテの美しさ、見せないのはもったいないよね!すばらしい!
  • 井本といえば、今回の良介*1、良かったですね〜。忍成くんの抑えた演技が光ってました。自分が気づいたことによって暴かれていく、親子の情愛と罪。それと向き合う良介の苦悩が伝わってきた。良介のキャラクターはホントに自然に造型されてるよね、脚本上も。ストンと入ってきます。啓吾は何というのかな、4話内でいろいろ盛り込まないといけないせいか、時々劇中の設定のされ方に「あれ?」と首を傾げるところがないではないんだけど(苦笑)。
  • 例えば、良介が、弘道君の再捜査を持ち出した場面、飛び入りの啓吾が「刑事の基本」だのなんだのって横から口を出してたけれど、あれなんかもそう。理想ばかりで現実を見られない新米刑事、というのを前面に出そうとしてるんだろうけれど、できたら「台詞」だけじゃなく、実際の行動でそれを表現させてほしかった。でもそれじゃ4回で最終回を迎えられないよね。辛いところです。
  • つまり一話の中で啓吾は毎回、青い未熟な言動をし、たしなめられ、でも夢中でぶつかり、失敗や思い違いをし、それでも最後はしっかり前に進む、それを全部繰り返さなきゃいけない。たいへんです。
  • でも、その設定を兎にも角にも成立させているのは、役者力によるなあと、今回もつくづく思いました。未來さんだけじゃなく、寺尾さんや岸田さん、池脇さんらの迫真の演技、その迫力でドラマが前に進んでる。もちろん、毎回のゲストの方々。これがすごいです。村田さんも、葉月里緒奈さんも良かった。葉月さんの最後の涙は思わずもらいなきしてしまった。泣き出す彼女の側で、黙って窓の外を見る池脇さんの表情も良かった。二人の母の思いが交錯してました。
  • 事件と、劇中の登場人物の背景を重ねていくというのは、このドラマの初回からの手法だけれど、今回は「親子」がメインテーマになっていたので、ひとしくんと向き合う啓吾、伊勢崎と向き合う啓吾、そのどちらも非常に鮮明に描かれてたと思います。ひとしくんと庭で語り合うシーン。良かったなあ。ひとしくんも見事だったし、その姿を、まるで自分を重ねるように見つめる啓吾の目が、キラキラと潤んでいるのにもやられました。いい目の表情をしてくれちゃいます、未來さん(涙)。
  • でも何と言っても、ラストの屋上。啓吾の目の威力を思い知るには、このシーンが全編の白眉でした。伊勢崎に、照れくさそうに父のことを問いかける啓吾のはにかんだ笑顔。その柔らかだった目の光りが、伊勢崎の言葉によって一変する……。まさに「色を正す」としか言いようのない変貌。きっと目に力がこもって、強い光を放つ目にたじたじとなりました。目に光芒が確かに宿ってるのね…。豊かな感性とそれに的確に反応する表情筋も目の光りも、この人のもつ魅力だなあと、改めて思いました。同時にすごい色気も感じさせたし…。いやあ、この寺尾さんを前に、こんなに役者の色気を全開にしてくれちゃうなんて、森山未來、あんたたいした男だと…ラストは絶句のまま終わっちゃった。圧倒されました。すごい場面でしたよ。
  • そういうと、私の友人の父が毎回楽しみに見てくれてるらしいんだけれど、ラストの啓吾を見て、「この男前、誰や?」とえらく反応してたらしいです(笑)。確かに!

 いよいよ、明日が最終回。ほんとに早いなあ。ワンクールたっぷり見たかったです、啓吾の成長。

*1:小津つながり!