なななぬかー四十九日

 あなたの声が呼んでいるような気がして、風にびゅーんと吹かれるように、お参りにうかがいました。初めて見る景色と風の色と、そして広い空のある、あなたが育った場所。


 思いは言葉にならないことを痛感しました。
 それと同時に、溢れる思いを解き放つのは言葉によるしかない、そのことも泣くほどに痛感しました。ただ、絶対に言い尽くせない、いつまでも何を見ても、溢れ続ける以外にない。あなたのお母様の言葉に耳を傾けながら、そのことも…。


 言葉にできないので、ひたすら大事な想い出を、手を合わせながら心の中で強く思いました。そして私があの日言い残してしまったことも。あの日はほんとにごめんなさい…。
 そして、あなたに巡り会えたきっかけ、その同じきっかけを共有する沢山の人たちの気持ちも一生懸命想像しながら、「大好きだよ」って、そればかり強く思って手を合わせたけど、わかってくれたよね。

 

 どうか、どうか、安らかに。