キレイ
- 出版社/メーカー: TBS
- 発売日: 2006/07/19
- メディア: DVD
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作・演出:松尾スズキ 音楽:伊藤ヨタロウ
出演:鈴木蘭々、高岡早紀、阿部サダヲ、片桐はいり、橋本じゅん、宮藤官九郎、大浦龍宇一、秋山菜津子、岡本健一、他
えーっと、小ねたで「風太くん」が出て来て、クドカンさんに抱えられてたのには笑っちゃった♪皆川猿時さんも何気に出ておられるし。そんで極めつけ。じゅんさんが「父ちゃんの夢を!」みたいな台詞を吐くんです。ギクッとするじゃない(苦笑)。姿はダイズ丸なんだけど。ローラじゃないんだけど…。ついつい思い出しちゃうじゃないの…ね。
なんて、小ねた話から始めちゃいましたが、おもしろいです、これ。
通り一遍な「キレイごと」の価値観にぶつけたアンチテーゼ、それが幾重にも、幾方向からも、いろんな人間からも、打ち消されたり補強されたりしながら、徐々に無形から有形に向かって行くから、とっても複雑なんだけど、いったん骨を理解したら膨大な登場人物の役割が面白くって、はらはらと糸の絡みがほどけていく感じがする。
ともかく、いろんなシンボルがちりばめられてるから、目が離せないんですよ。
ケガレ→ミサ、という流れとそれともう一つ、ダイズ丸@じゅんさんの、異形化していく肉体…でも、とってもキレイな衣をまとってるし…。
好きなお芝居だな。ミュージカルなんだけど、ストレートプレイのミッチリした情報量もあって。おもしろいな〜って、見た瞬間に思った。どうして見に行かなかったんだろ…。あ、そうだ。Wonderlandとまるかぶりだったんだ@大阪(苦笑)。
なんていうんだろ。誤解を招く言い方かもしれないけれど、いい大人たちが、馴れに流れることなく、アオイ気持ちで大真面目に作ったって感じのザラザラした手触りが残ってる。なんだか少し前の学生劇団の芝居みたいな、ばか騒ぎとくそ真面目が渦巻いてる感じ。んーー、よくわかんないですね、すんません(汗)。
でも、さすがに演者が演者だけあって、舞台装置は豪華だし衣装も凝ってるし、視覚的なゴージャスさは凄いのですよ。ええ。もちろん、脱力系のお笑いもたっぷりだし(笑)。
急遽主役のケガレに抜擢された蘭々ちゃん、すこーし表情が硬いかな。しかたないね。でも体当たりで清々しい。
その横で、弾けるような笑顔でピョンピョン跳ねて、ケガレにエールを送り続けてる阿部サダヲさん@ハリコナA、とってもいいな。ほんとに子どもに見えるんだもん。すごいや。
それから、片桐はいりさんの迫力には脱帽。秋山菜津子さんにも、そこまでされるとは…って驚かされた。
高岡早紀さん、きれいな声。松尾スズキさんは、うん、怪演(笑)。
クドカンさんも、あの細い身体で迫力のある声と演技。すこーし新感線の右近さんっぽいメイクなのがおかしい☆体型ぜんぜん違うけどね(笑)。
で、じゅんさんのダイズ丸。これが可愛らしかったり哀しかったりグロテスクだったり。
このお芝居って、いわば、ケガレとダイズ丸の2人が、錯綜する二つの物語の両主役ってとこだもんね。とても大事な役回りですよ!だから、じゅんさんのいろんな演技に目が離せないんだけど、「おーい!カメラ〜!もっと寄ってよ〜じゅんさんに〜!」というのが正直な感想。途中で踏むとってもキュートなダンスステップも、ぜんぜん追ってくれないし(涙)。みんな、ケガレだけが主役だと思ってるんじゃなーい?って、私の主観?いやいや(苦笑)。
買ってから気づきました。これ、発売直後だったんだ。タイムリー☆