虹を見て

 きっと彼は、新しい未来への毎日を駆け出しているんだと思うのですが、彼から多くの光を与えられた者にとって、その光は「経験」そのものです。
 だから、彼の日常とは随分ずれるけれど、その「経験」をちゃんと心に納める作業をしたい。この週末の時間を使って、自分が何を見たのかを書いておこうと思います。まだ、全然形とってないけれど(笑)、書いているうちに何かが見えてくるといいな。


 で、昨日、録画してあった「アンフェア」をつらつら見てふと思ったこと。
 

 このドラマが始まった1月の中旬。私たちは『Bat Boy』の幕開けにドキドキし、新生エドガーに翻弄され心揺さぶらていたんでした。そして、このドラマが終わる時には、『Over the Rainbow』がクライマックスを迎え…。


 つまり、ドラマがたったワンクールを終える間に、この、森山未來という21歳の青年は、なんと2つの舞台を創り上げ、全力で演じて歌い、光のように舞い、私たちを感動の渦で包んだんですよね。特に『Over the Rainbow』は、この時間の中で、本当に無に近い状態から一つづつ構想し一つづつ紡ぎ上げ、そして新しい命を生み出した。もちろん、彼一人でそれをやれる訳はなく、カンパニーの方々と共に議論し汗を流し闘って喜びと苦しみを分かち合い、「おおきな木」さながらの先生方から光の色を与えられ、それを集めて…見事な七色の虹に結実させた。その作業量もまた膨大なものでしょう。さらに、すべてのダンスシーンをマスターし、あの高いレベルのダンスを安定して観客に見せ続ける為に、踊って踊って踊らねばならない。
 それって、シンプルに、ホントにとんでもなくすごいことではないでしょうか…。
 

 もちろんいろんな葛藤もあったに違いないけれど、この3ヶ月と言う時間、情熱を途切れさせることなく、信じる自分のイメージに邁進し続けて、観る者に息も止まるような感動を与えてくれたこの21歳に、私はいま、無条件にブラボーッて叫びたい気分です。すごいよ、君は!


 そんな、微妙にカレンダーを意識した、3月25日。いいお天気です。