『虹』初日@新神戸オリエンタル劇場

 ドキドキの初日。幕が切って落とされました☆
 初日、おめでとうございます!やんや、やんや♪♪

 はー、来ましたとうとうこの日が…。ああほんま、いろんな意味で肩で息してます(笑)。


 これから間違いなく、ドンドングングンガンガン進化して行くはずのこの舞台、しっかり初日初見の感想、書いておこうと思います。
  

 うん、ともかく白い人は、ガンガン踊ってました!
 出演者の皆さんのダンスのテクニックやかっこよさ、これもグンッと迫力が有って、満足のいくパフォーマンスです。一つ一つのシーンの振り付け、これはもうすごく楽しい!意表を突いて口あんぐりだったり、ゲラゲラ笑ったり、すごいです。


 ストーリー…。実はこれがなかなかの難物(苦笑)。
 いや、まあそれは暫く置いて…。以下、いつもの通り、やってみます。またまた長いなあ…(苦笑)。で、その一番最後に、くだらない【初見感想】、置いておきます。




★★【以下 ネタバレ注意】★★

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 一階 P列10番台 という席。下手よりの前から二列目です。
 いつものテーマソング「Modern Millie」にドキドキが加速。


 舞台下手奥には、スクリーンを兼ねた大きな白い木。その横、舞台中央に白いベンチが一つ。上手のぐっと手前に、白い大きな切り株。後で少女がそこに座ります。



 
 白い人が登場。これが、未來さんです。その姿にまずガツンと衝撃を受けます。ともかく白い。まっ白…。もともと白い人ですが(笑)その人が「白い人」をシンボリックに演じる訳です。
 まず、髪。最初、ライトのせいか、金髪?と思ったのですが、いや、銀?アッシュ?プラチナの白銀? ともかく月光に照らされたような髪の色!かっこいい。すごく良いです!


 服装、これまた形容しづらい…。やっぱりまっ白なんですが、いろいろ重ねたり巻き付けたりしていて、ボリュームがあります。クシャクシャの白い木綿のジャケットの下に、白い長袖のTシャツ状のもの、その下に、白いガーゼのようなクシャクシャ布が、袖口と襟元にのぞいています。その白いガーゼ状の長い袖が、踊っているうちに右手を覆ってしまって、まるで猫のまん丸い手のようになって、それがなかなかかわゆらしく……。パンツは細身のやはり綿のクシュクシュパンツ。その下に、白のスパッツを履いておられます。腰には、天女の袴の腰布、いや金魚の尾ひれ(?)のように、白い布が輪っかになってぶら下がって、それが踊るたびに広がって、なかなか効果的。ただ、一度どこかの場面で、未來さんがクルクルターンしてる時にその白い尾ひれが足のかかとに引っかかって、回転にブレーキがかかってつんのめりそうになった場面があって、ちょいとヒヤリとしました。もう少し短くっても安全上はいいかも(笑)。
 パンフレットには、「衣装協力 長友善行」とありました。長友スタイリングなのね。


【シーン1 白】振付:中山陽子/佐竹毅/佐竹毅
 そうこうするうち、舞台の上に雑踏が繰り広げられます。WLの「街」のシーンのように、出演者の方々が皆、どんどんと行き交って行きます。ここでは、宇田先生の動きがかなり目を引きます。つんのめるように前屈みに、そしてまた背を起こし…。何だったのかな?明日またちゃんと見てみよう。他にも同じような動きの人がいたような…。
 その雑踏の中を、「白い人」がすごい勢いで踊って行きます。ぶつかりそうでぶつからない。いろんな色のライトが天井から落ちていたように思います。その光を捕まえたり手をかざしたり染まったりしながら、雑踏の中を踊り行く「白い人」。

 
 「木」と、少女が登場しました。
 少女は切り株の上に腰を下ろします。切り株の上には大きな壷。
 「木」は、老人です。髪もヒゲもごま塩。燕尾服を着ておられるのですが、樹木のイメージかな。モスグリーンの上着に茶色のスラックス、茶色のチェック(かな?)のチョッキ。チャコールグレーのハット。とてもシックでステキな出で立ちです。ただ、最初からこんなに老人でなくても良かったのでは?と後で思いましたが、これも暫く置いて、うん、先に行きましょう。

 
【シーン2 青】振付:森山由巳/安川ゆう子・中山陽子/佐竹毅
 とても美しいダンスシーンです。
 多くのダンサーの方が、バラバラとてんで勝手に踊っている中、「木」の自己を投げ打っての「めぐみ」の後に、青が色を獲得、ダンスがハーモニーを奏で始め、躍動感のあるとても美しいシーンを形作って行きます。このガラッと色の変わる展開がすごく美しい。青が「」に色どられる…
 この構成パターンが基本形ですね。この後も、各色ごとに、「木」による「色づけ」が繰り広げられていきます。ただ、展開の方向というか意味付けは、それぞれに変わって行ったように思います。その変貌の様、これも一度では消化し切れなかったな…。明日、また見直さなきゃ…。


 で!ここです!踊りに「色」が付いた途端、なんとなんと未來さん☆トゥシューズを履いて、踊っちゃうのです!
 びびび、びっくりしました…。しかもそれがもの凄い安定感で。美しい…(ため息)。まっすぐのつま先で力強くターンしても、微動だにしません。きれいすぎる…。この衝撃のおかげで、暫く茫然と夢見心地でした…(笑)。


【シーン3 藍】振付:林田聡/安川ゆう子・中山陽子/佐竹毅・安川ゆう子
 林田先生のダンスです。とってもかっこいい!WLは、先にピエロという性格ありきのせいか、また動線も平行移動だけだったせいか、少し林田先生のダンスとしては物足りなかったのですが、今日のこれは、すんごく面白いです!舞台を縦横に動き回り、とってもダイナミック☆ もちろん白い人とのデュエットもばっちり。
 ともかく、ひたすら林田先生に目が釘付け☆です。白い人が参入して来ても、やっぱり林田先生を見ちゃった(笑)。今日のダンスの印象では、未來さんはいつもの未來さんだけど、林田先生はいつもとはひと味違って見えたような(ボキャ貧:汗)。


【シーン4 橙】振付:YOSHI/安川ゆう子・中山陽子/佐竹毅・安川ゆう子
 タップです。トゥシューズ履いてた足をタップシューズに履き替え、ガンガン踊る白い人。ここだったかな、かかとに白い尾ひれが巻き付いちゃったの…。
 このシーン、記憶が曖昧…。裸足でOgacchiさんがタップ踏んでたような記憶が…。うーんだめだな、明日補充します。
 そうそう、ここから、「木」の右手が動かなくなります。どんどん踊りが不自由になる「木」…。


【シーン5 緑】振付:宇田三昭/安川ゆう子・中山陽子/佐竹毅・安川ゆう子
 中川誠さんと宇田先生を中心にダンスが展開します。中川さん、ゲシュタポのような出で立ちで異彩を放っておられます。星野さんも加わって、男のダンスです。かっこいい!でも、一際目を引いたのは、森山由巳さんの男前なダンス!シュタッと前列に飛び出して来られた時のシャープさに、あ☆きっとお姉様だ!と思ったらその通り:笑(いや、帽子を被っておられて…)。かっこいいですね。
 白い人も参戦します。軍服&迷彩調の緑の人達、白い人のメローな出で立ちとは、全ーくテイストが違って(苦笑)、白い人浮いちゃうんじゃないか、と心配したのですが、そこはさすが未來さん☆(&ライティングテクニック)いざ踊り出すと違和感なく、グイングインと力強く、しっかり中の一員に融け込んで踊ってる白い人。うん、冷静になるとなんだか、妙におかしい(笑)。ガンガン踊っててすごくかっこいいけど、なんやその格好♪という…(笑)。
 「木」は、左足も動かなくなります。


【シーン6 赤】振付:中山陽子/安川ゆう子・中山陽子/佐竹毅・安川ゆう子
 このダンス、大好きです!色が付いた後のダンスが、特に素敵!中山陽子先生の振付けってドラマチックだなあ…。
 目に見えない、何だろう、何かをトスして奪い合う赤い人達&白い人…。その動きがとってもスムーズで波動が有って、目が釘付けです。去年のクリスマスに、スタジオダンスタンツ公演で中山陽子さんも踊られた、仮想のボールを地面に落とさぬように奪い合い走り回るすごいハラハラドキドキのダンスを、チラリと思い出しました。一人一人の動きが見事に連動してる。そこに、白い人が赤いライトに照らされて、一糸乱れず踊り込んでいるのに、ちょっと感動…。
 でも、これ、色が付いた後、少しダンスに「邪悪さ」みたいのが加味されますよね…。パンフレットには「不気味」と有ったけれど…。確かにそういうダンスだった。ラストのメラメラした手の動きに、ギクリとしたもん…。でも、ストーリー全体のエンディングを生む要素の一つとして、これはどういう意味をもつんだろう…。ここもちょっと未消化の部分かな。ダンスはとっても良かった☆んですが…。明日の課題(笑)。


【シーン7 黄】振付:佐竹毅/安川ゆう子・中山陽子/佐竹毅・安川ゆう子
 笑います!いや、文句なしにおかしい(笑)。
 中川さん、宇田さん、星野さん…。ほら、こう書いただけでおかしいでしょ(笑)。
 みんな黄色のパジャマ姿。ヨレヨレで、ぼたん掛け違えてるし、宇田さんは髪にピンつけてるし!(笑)中川さんが、踊るたびに鋲か何かを踏んづけて、それを宇田さんにアピールするも無視され続ける☆っていうのが「色づけ」前のお三人。中川さん以外は寝ぼけてるのね(笑)。
 白い人は、それを何とも酸っぱそうな顔で、奥のベンチに座り込んで眺めています、この風情もかなり相当おかしい(笑)。上手から、寝ぼけたままの宇田さんが黄色のモップを持って登場。でも、ちょちょいと動かしただけで、中川さんのアピールはまた空振りで…。
 ここまで、シリアスな演技&ダンスだった「木」、すでに手も足も首も耳も不自由になっているのですが、最後の力を振り絞って、鮮やかな黄色のビーム(木漏れ日らしい)を彼らに分け与えます。ところが、これまでは一発で色を変えていたのに、このトボケた三人はなかなか反応しません(笑)。3回目か4回目かに、ようやくシャキーンとした黄色い人たち、白い人と一緒に、白鳥の湖…(笑)。これは、間違いなく、12/10のModern Millie発表会「For the First」で、佐竹先生が振付けされた「Otoko ga Onna o Aisuru toki」にルーツ有りますよね!あれもおかしかったもんなあ。
 ともかく、この場面は一服の清涼剤です。とっても楽しい!


【シーン8 紫】振付:安川ゆう子/安川ゆう子・中山陽子
 安川先生のダンスです。去年の「沼」を思い出させます。紫の影が胸を掻きむしるように踊り募って行きます。救いが…無い?
 大きな木は出て来ません。スクリーンに、パイプをくゆらす大きな木の姿が映し出されます。

 パンフレットには、影が「失望」から「希望」に変容する(ということばは使ってないけど)と有るんだけど、これがよくわからなかったかも…。確かに紫の色は明るくなったけれど、えっと「希望」だったのかな…。うーん、少し伝わりにくい…。


【シーン9 しろいひととき〜虹の向こうに】振付:佐竹毅/安川ゆう子/安川ゆう子
 ベッドに「木」が横たわります。
 その横で、虹色のライトが鮮やかに舞台に投射されるのを、楽しげに、光源を眺めたり、日向をつかもうとしたり、猫の子がじゃれるみたいに楽しげに踊り行く白い人。それぞれの色の人達の間を舞い進みます。
 虹色の人達が去り、「木」に踊りを促す白い人。二人で踊ったかと思うと…ああ、うそ、もう大きな木は虹を渡って行ってしまいました…。あれ?あのあの…これでおしまい??


 少女が如雨露で切り株に水を注いでいます。その切り株に座る白い人…。あれ?ほんとに終わってしまった、よ…?


 拍手のタイミングを逃しました(苦笑)。
 フィナーレで、皆さんが出て来て、楽しげに踊り出すんだけれど、うまく手拍子ができない。ストーリーのエンディングとフィナーレが、判然とし難い…。それでも一生懸命手拍子するんだけれど、うまく舞台に伝わらない、伝わってないことがわかる、舞台の人もそれに気づいてる感じがする……その双方の違和感が大きくなる…。

 
 つらい……。


 
【初見の感想】
 ダンスシーン一つ一つは、とても上質で、振付けも意欲的で斬新で、ダンサーの技術が十二分に引き出され、難度も高く素晴らしかったです!WLよりグググイッと進化してる感じがしました。とっても楽しめました。

 ただ…、どうなのかな、初日のギクシャクさ、まだうまく軌道に乗っていない、そういうこともあるんでしょうね。ラストにドンドンと向かっていく、うねるような昂揚感が、うんと、うまく醸成されてなかったような、気がします…。それは、あの『大きな木』という取材先そのものがもつ、モザイク的な性格に起因する側面もあるのかな…とチラリと思いました。
 あの物語っていうのは、ある種、エピソードの積み重ねですよね。枝を切られ、林檎を食べられ、幹を切られ…。そこに、花を摘まれ、葉っぱを落とされ…という風に、どんどんエピソードは追加できる。そういうモザイク的性格。それを貫いていたのは、少年の「老い」と大きな木の「(量的)減少」、つまり時の流れそのもの、だったんだけれど…。

 今日の舞台上で、「木」は最初から老人で、もちろん、手が動かず、足を引きずり、耳が遠くなり…そういう動作はシーンを追うにつれて表現されていたんだけれど、パンフレットを読んでいないと、うまく伝わらなかったかも…。ちょっと控えめな表現だったように思う。「木」の変容そのものにもっと目が行くようになっていれば、わかりやすかったかしら、と思いました…。いや、私が理解不足なだけですね。すみません(汗)。


 それから、上にも書いたけれど、「影」の存在が少しわかりにくい…。「木」が憔悴していくにつれて存在が大きくなって行った「影」、それがどうして一気に希望に変わるのか…?
 「白い人」は、「木」の化身もしくは「精」という風に捉えたんだけれど、どうでしょうか。最初は、「木」が踊ってる時ものんびりしていた白い人、「木」が踊れなくなると、その場面で弾かれるように踊る姿が印象的だった。でも、その踊る姿は、全く「失望」してなかったよね、失望はあくまで「影」のものなんだよね…。やっぱり「影」って何? ひゃ、結局ここに戻っちゃうなあ(苦笑)。


 一回見ただけだからよくわかってないんだと思います。難しいや! シーン8〜9の影を巡るダンス、明日はもっとしっかり見てみよう!わお、明日の課題、いっぱいだ(笑)。


 あ、佐竹先生のダンスが少ないの、かなりもどかしいです(苦笑)。だって、だんだん身体が不自由になるんだもんね…。踊れなくなるもんね…。うう、ちょいと欲求不満(笑)。もっと佐竹先生に踊って欲しいけどなあ…。動けなくなる前なら、もっと右やら奥やら前やら、縦横に踊ってもらっても良いんじゃないかしら??時間の流れを際立たせる為には、定位置を動かない方がいいのかな。あ、そうか、木だもんね。そんなにアッチコッチに移動しちゃダメなんだ…なるほどなるほど☆☆……ひゃー、難しい!


 という、つらつらの感想でした。
 

 明日、きっとガラリ!っと変わってると思います。そんな気がする(笑)。WLでも毎日毎日、修正が入り解釈が変わり、千秋楽に向かって行ったもんね。
 うん、楽しみだ!