スタジオダンスタンツ公演「聖夜天蘭舞踏会」

場所:大阪 一心寺シアター倶楽

 クリスマスにお寺でダンス公演。
 これだけで、なんだかとっても不思議な世界です。舞台はお寺の本堂の地下。こじんまりとしたホールに、座布団がならんだひな壇の座席。何人くらい入るのかなあ。ぎっしり詰まった会場は熱気に溢れていました。

 ダンサーの方々は、中川誠さんを除けば全員女性。ストーリーの中心には中川さんがおられます。踊りを忘れて自堕落な生活をしている男が、徐々に踊る心を取り戻して行く、という流れはあるもののそれが前面に出るのではなく、徹底的にさまざまなダンスが炸裂していきます。
 魅力的なダンサーの方々が本当に多く、パワフルで美しく、エネルギッシュでかっこいい☆、むちゃくちゃ楽しい2時間でした。
 印象に残ったのは、タンゴを踊られた、森美香代さんと安川晶子さん、鋼のような美しい肉体と毅然とした表情、黒のドレス姿で、壁や床や空気や人間、そういった、あらゆる自分に接する「存在」と肉体との関係性を、情熱的なタンゴの躍動に乗せて表現しておられました。もうもうすごい!の一言です…。短い台詞を口にされるのですが、その間合いの滑稽さが、ダンスの神懸かり的な存在感と、言うに言われぬギャップを作っていて、もう、このお二人が台詞を言われるたびに、脳を経由しない心からの笑いがこぼれ出すって感じでした…。いま思い出しても、まだ笑えます、台詞ぜんぜん覚えてないのに(笑)。あ、EXACTRY!っていうのが有ったな♪
 それから、Jazz(かな?)の上杉ひろみさん(たぶん)の、かっこいいダンスも見惚れました。笑顔が素敵だし、ともかく踊りの楽しさが内面からガンガンに沸き上がってて、うっとり。
 一幕のラストの、メロディではなくリズムを刻むだけの伴奏に合わせたダンスを踊られた3人もすばらしかった。お名前を覚えているのが、佐藤知子さんだけなのですが、驚異のバランスで、その安定感たるや、尋常じゃなかったです。人間の身体って美しいんだなあ…と息を呑む思いでした…。
 あ、モダンミリィでおなじみの中山陽子さんも素敵でした!美しいしお茶目だし。2曲踊られたのですが、最初のご自身演出の、キノコみたいな踊り(すみません、表現力乏しすぎ…)のかわいらしさもさることながら、ラストの演目での踊りがとても楽しかった。10人ほどが、これも音楽なしで、「ハッハッ」というかけ声だけで、走り、跳び、踊るダンスが、もうもう楽しくて楽しくて…ドキドキしました。目に見えないボールをトスして行くかのような踊りに目も心も奪われて、まるで催眠術にかかったみたいに、何も見えてないのに「あ!落ちる!!」なんて手に汗握ったり(笑)。ダンサーの方々の体力と美しさと表現力に、これまたもうもう脱帽でした…。

 パンフレットが見当たらず、演目名やダンサーのお名前がうろ覚えなのが情けなく不甲斐ない…。でもほんとに楽しくって、次の公演も絶対行くぞ!と強く心に願ったことでした。