危険なアネキ 第9話

 リピートしました。内容についてはもう何も言いますまい。アネキの独善と横暴についても,何も言いますまい。勇太郎の心を,誰一人,全く思いやることができない辛さについても……,何も言いますまい…。

 素晴らしかった,恐るべきactor(by 児玉清さん)未來さんの演技についてのみ,抜粋して箇条書きで…。順不同。

  • 鶏団子鍋の材料を買って帰ってきた勇太郎にアネキが駆け寄って,間髪を入れず武田先生が「おじゃましまーす」と顔を出したところ。勇太郎は一旦武田先生を振り返りますが,すぐに顔をアネキに戻し,しっかりとその顔に正対します。直前に勇太郎に何か言いたげだったアネキを気にかけていることが,それだけでヒシヒシと伝わる。なんて優しい弟だ!。
  • 白菜を切ってる勇太郎,左手指をちゃんと折って切ってるのがかわいらしい(笑)。手が大きいから安定感があるねえ,とっても暖かい気持ちになる。
  • ツリーをバックに記念撮影☆離れすぎです(爆笑)。で,愛ちゃんに腕組まれて挙動不審。でも最後にちゃっかりお顔を上げて,得意なのか嬉しいのかすましたつもりなのか,小動物みたいな顔で写真に収まってるのが,むちゃくちゃツボです(笑)。かわいいな〜というか,うまいな。
  • ピントリッキオで愛ちゃんとデート。勇太郎というか未來さん,グラスのビール減りすぎです(笑)。結局残さずに飲み干してるし。いや,正しい行動ですよ!
  • でも,愛ちゃんの悩みは,あんまり理解できないのね。優しいんだけどね,愛ちゃんが期待する対応ができない勇太郎…。これは愛ちゃん留学に彼が受ける衝撃の,遠くて細い伏線になってるのかな。勇太郎のこの時点での無邪気さが,後の落胆の大きさを導く,みたいな…。脚本,勇太郎周りはしっかりしてると思うの…それがちょっと謎だったり(苦笑)。
  • 写真を見てニヒニヒ笑いながら帰宅。すこーし幸せってやってるのが可愛すぎ。というか,そのジャケットかっこいいですね。暖かそう☆似合う似合う。
  • 貯金箱のお金,「たりないっ!」っていう言い方大好き「ぼくもすっごいたいせつなはなしがあるっ」ってきばって言うのも大好き!「600万円返済したら…みんなで温泉行こうな」ってしっかりきっぱり言い切る勇太郎に惚れた。「みんなで」の前に小さく息をためるのに,勇太郎の気持ちがこもってるよね(泣)。なんて良い奴だ…。
  • 返済計画をマジックで書き出す未來くん,いや勇太郎。でもあの文字みたらさ,可愛い優しいあの字を見たらさ…もうね…。
  • 古本屋さん,一回目と二回目の違いはどこに?(笑)で,5万3000円って,それ破格の買い取り価格じゃない!有り得ないよ(笑)。私も古本屋に本を持ち込んだことあるけど,絶版の本を持っていっても,そんな値段で買い取ってもらった経験はないぞ。医学書は高い?
  • ひたすら頑張る勇太郎,金策に走り回る勇太郎。頑張ってるよ,一生懸命だよ。アネキの願い,ひいては生前に心を開くことができなかった父の気持ち,いろいろ彼の脳裏には去来してるに違いないよ。自分たちの育った家に,まっすぐな気持ちを持ち始めている勇太郎…。その気持ち,大事な弟なんでしょ,考えようよ,アネキ…。あなたは「自分の願い」としか位置づけていないけど,その願いを共有し始めている,勇太郎の,一緒に育った勇太郎の,その心の奥底に動いている家族への愛に,気づこうよ…(涙)。いかんいかん,これには触れないはずだった(苦笑)。
  • ジャンピング未來♪。おへそ見えてるよ〜。なんとなく,ウォーターボーイズ第1回で,お腹から素敵な絵本を取り出して進藤ちゃんに渡すシーンを思い出しました。色が白すぎてお腹に見えないのよ(笑)。
  • 返済計画が少しづつ軌道に乗り始めて,希望が出てきた勇太郎。とっても嬉しそうにアネキに融資のお金を見せます(笑)。屈託のない心の底から笑う笑顔,ピカピカで可愛すぎ!「がんばって」なんてアネキに声かけたりしてるよ…。その後で鳴る母親からの電話…。その行動が私は理解できん。どういうつもりで電話してくるの?行動が意味不明すぎる(怒)。とまどう勇太郎…。わけがわからなくって言葉を呑み込む勇太郎…。ひどいよ…。
  • そこで母に会いに行こうとした勇太郎,もうはなまるを100個くらい上げます!(涙)あなたほど家族思いの人間はいないよ…。
  • カウチに座る勇太郎の思い詰めた横顔が美しい。眼鏡越しに見開かれた目がすごい力を宿していて,すごい…。「…だったんだと」ってわざと他人事のように言葉を重ねる彼の気持ちにズキズキする。自嘲気味に「だまされちったかなあ〜」って呟く,その心が痛い…。相変わらず,「どんなことがあってもお母ちゃんは私たちのお母ちゃんだよ」としか言いつのることができないアネキも悲しいね…。「取りあえずもういいから」って言葉で突き放す勇太郎の,左肩胛骨(すんません汗)。
  • 医局でぽつんと,眼鏡を外して肩をつぼめている勇太郎の,失意の瞳…。母と会えた喜びを隠さなくなっていた矢先に裏切られたんだもんね…。一度上に引き上げられて真っ逆さまだもん。ひどいよ。母。
  • でも病院では,お母さんのこと言われても,昔みたいに邪険に振る舞わず,悲しげな微笑みを湛えながら「かもしれませんね…」って呟く勇太郎…。どうして君だけがそんな悲しい辛い思いをしないといけないのかなあ(涙)。
  • 屋上の武田先生の台詞。これは私も激怒。結局何も火の粉がかぶってこない所で善人面してる,と思ってしまったよ(怒)。直後に勇太郎が言った「どうして武田先生にお願いされなきゃ行けないんですか」ということば。これはほんとその通りだと思った。あんた,なにもんやね!ですよね…。姉を,母を,きちんと思いやって自分のこととして二人のことを考えていた勇太郎だからこそ,この偽善的な武田の台詞を許すことができなかったに違いない。…だから,ほんとに勇太郎周りの台詞,全部感情にうまく沿っているの…。なぜ?(苦笑)
  • 愛ちゃんとクリスマス,微かに残った彼がその場に止まる為の,数少ない動機の一つよね。それがなくなった…。
  • それでも勇太郎はきっと,「母のことはもう最初からいなかったと思えばいい,「みながわ復興」のことだけ考えよう…」って思い直したに違いない。平静を装って,寧ろ明るく(元気ないけど)「600万達成!」なんて言って,それを手に,これから返してくるって言います。アネキの帰りを待ってたんだよね…じっと背筋を伸ばして。お金を見せようと思ってたんだよね。でも,そこでアネキが言い出すのが……(怒)。ことばがない…。アネキは,母をとった,他人をとった…。そう思うよね。彼は,母からも姉からも裏切られてしまった。
  • 「あなたの願いだったんじゃないんですか」っていう言い方で泣けました。他人事のように冷たく聞こえるけど,それは,その願いを自分の願いと思い始めていたからこその絶望が,そう言わせたに違いない。彼の押さえたことばの向こうに,「僕らの願いだったんじゃないのかよ!」って叫びが聞こえる。
  • こみ上げる涙に光る勇太郎の目が,未來さんの目が,見てる者の心を揺さぶります。
  • そして,「勝手にしなよ」…。感情を抑えあくまでも軽薄そうに言ってのけるその言葉が,軽く言い放たれた分だけ,絶望を際だたせます。勇太郎は,アネキには想像もできない奈落の底に落ちて行く真っ最中なんだよ。いま必死に踏みとどまってるところなんだよ。未來さんの表情,歯を食いしばるようにして頬に一本の筋が走って,もう心がキリキリ痛みます。「かってにしなよ…」(涙)。 アネキは,落ちていく弟の手を握りしめないといけない。まっすぐ弟の手を掴んで,彼を離さないようにしないといけない!!あなたの弟は,いま真っ逆さまに絶望の淵を落下しようとしてるんだよ…。だのにだのにだのに,アネキが掴んだのは,勇太郎が差し出した札束だなんて…(慟哭)。勇太郎の絶望と叫びが聞こえてきます…。小さく「言ってきます」って背中を向ける勇太郎が,痛々しくって…。彼がその場に止まる,最後の理由が,これで無くなりました(涙)。
  • 田村教授の部屋をノックする勇太郎。覚悟を決めた表情…。

 ああ,ほんとに書きながらまた胸が痛くなってきた。
 来週,最終回ですか…。いったい,どうなるのでしょうか…。勇太郎は掬われるの?(涙)