WONDERLAND 8/18 マチネ・ソワレ
一緒に書きます。
でもね、なんかほんまにきょうはことばがないのですよ。
感じたことを、なんとかことばにしようと文字を弄んできたのですが、だってほかに方法がないもんね、わたしなんか無芸だし、でもね、それって、この人間じゃないみたいにきれいなものを前に、何をしてることになるんだろう・・・。いや、なんかいろいろ理屈はあるけどね・・・。
いや、書きますよ、でもね、筆が止まるのですよ・・・。
あの、人間と同じ形をしてる、あの「人」、なんなんでしょうか。だって音しないよ、重さが何も感じられないよ、あくやにごりなんて何もないよ、きらきら光ってるし、目を動かすだけで、瞬きするだけで、世界が暖かく色づいたり、ヒヤッて凍ったり、風が吹いたり、胸が詰まったり、涙の袋がぱちんてはじけたり、するのはなぜ・・・。
このWONDERLANDが始まって、ほんまずっと言ってますけど、この人の頭上には、神様がいます。中国の神話で、女媧*1が人間を作ったとき、何人かの人間は丁寧に泥をこねて一つづつ目をつけ鼻をつけ手足をひねり・・・って作っていったんだけれど、途中でもう飽きちゃって、後の人間は、泥に縄を浸してそれをぶんぶん振り回して、その滴がその他大勢の人間になりましたってことになってるんだけど、未來さんは、その何人かの、手作りの、ほかに代えようのない、人間の一人です。
そんな人、わたし、これまでひとりしか見たことなかったです。未來さんは、二人目ですが、圧倒的です。しかも、神様の種類が違う。なにこれ、ほんまに、この人、なに？
あー、もー、だめです。きょう、すごかったんよ、ほんまに。
ほら、もうかけなくなる・・・。
つき物が落ちたみたいに、まっさらの瞳で光をみつめてるし、指先がひらひら何かを撒き散らしてるし、汗がぶんぶん飛び散ってるし、もうもう、とんでもないです。で、最後ににこって笑うんだよ・・・。楽しそうに、目がなくなるんだもん。
マチネの会心の笑顔ったらなかったですよほんとに。
そんな顔、見せられたら、もう、もう、もう・・・・。
でも、書いて見ます。今日は壊れてるから、何もかけないです。
昨日とは別物でした。なにもかもがぐんぐん回転してた。何かが降りてた。ミューズが宿ってた。
- くしゃくしゃ、ぽん、でした。
- 花園。右手からでした。でも、本当に綺麗な手・・・表情・・・。踊りだすと、美しい蝶や花よりも、フェミニンで風のようで美しくて優雅なんですが、どうして？この人、男とか女とかに分類できないですね。あ、妖精だからあたりまえか。
- 双子のダンス。ちっちゃいほうの女の子、ほんとに好き！喜始さん、たまんない。表情がかわいいし、膨れたほっぺかわいいし、踊りはパワフルだし、ついつい目で追ってしまいます！！どこにいても、もうすぐわかっちゃう！
- 怒りのダンス。赤いビームに照射されて、帽子を目深にかぶりなおして、クールでニヒルで暴力的で。でもぼこぼこに殴られて振り回されて、その後、そのはあはあ・・・。反則。
- マイムマイム。急にライトが蛍光灯みたいにぱっと明るくなって、まぶしそうにきょとんとしてるのが、さっきまで怒りのダンスを踊ってたそのお方ですからね（笑）。湯飲みやカップの中をぐぐって覗き込んでるのがかわいいよ〜。
- 宇田先生、もっとやって！（笑）ソワレ、手をみらいのひざに乗っけてふりはらわれてましたね。もっとやっていいですよ。
- 中川先生の表情、おかしすぎ！鳥打帽が似合いますねえ！旅がらすの笠も似合うし、黒マントもはまりすぎやし、ちょっととんでもないキャラクターです！ファイナルで、宇田先生と帽子を交換した後、袖にはける時ギャグ入れてるでしょ。そんなとこ大好き！
- きのこのタップ。ソワレ、すんごいはっちゃけてた！義さんとオガッチさん、二人でむちゃくちゃ遊んでるし！楽しいしなんか声だしてるし！（笑）青年アリスは、楽しそうに笑い出す演技に入る前に、素で笑ってましたよ！ちょっとあわてて真顔に戻そうと最初してた唇が面白い形になっててでもほっぺがまぎれもなく笑ってて、もうかわいいったらないよっ！
- で、黒のダンスです。圧巻です。今日は、もうこれにやられました。マチネはC列一桁、ソワレはE列20番台でしたが、Cからは、寝返りを打つ横顔の鼻梁がつんと見えました。もっと近寄って見たいってつくづく思った。最前列の人がうらやましいと、腹の底から思いました。というか、アートスフィア傾斜なさすぎ、舞台低すぎ！最前は、だからむちゃくちゃおいしいですね。よくわかった。来年は考えます。
- 虚無な表情で舞台上で弧を描く、その足先の美しいこと姿勢の上下動のないこと、手と足が彼とは別物のように体をゆさぶっていく、そのどこから湧き出すかわからないその牽引力はやっぱり神がそうしているのですか。でも、その表情、目・・・。空（くう）を見つめるように実体を感じさせない。
- 白い服でもいちど現れて、ぼさぼさ頭が愛しい。よれよれの服も・・・。でも、どうしてもそれ着ていたいのですか？（苦笑）人間は大丈夫だけど、服が過酷な舞台にへこたれてますよ。もう限界じゃない？ともかくあの白ブラウス、ぜんぜん体を覆う機能を果たしてません（笑）。
- その後、光の中で手でことばをつむぎます。そのつき物が落ちたみたいな清らかとしか言いようのない表情はいったい・・・。
- 踊りだす未來。ソワレで、うつむいて、にっこり笑って踊りだす、その顔がやっと見えました。うつむいて、にこって・・・。で、手を綺麗に優雅に伸ばして、はああって生気が宿る、体が波打つ、喜びが満ち溢れる、そんな跳躍。綺麗で高くて、でも、何の音もしない。夢みたい。夢ならこんな世界があるのかな。
- フェッテ、マチネ完璧！いつもより長かった。数えてなかったけれど、15ほどだったのかな？後で皆さんに聞きました。ソワレは、すこしぶれちゃったけどそれでも12回くらい回ってたし、悪がきみたいな顔して、二カーって満足げに笑ってたのもかわいかった。
- ラストで、くるって一回転して腕をぱっと開いてっていうの３回ほどするでしょ。あれ、とっても楽しくって大好き。みんなの息もばっちり！楽しい！
- ありがとうございました、ってマチネでもソワレでも、かわいく挨拶してました。ソワレでは、東京で初日をむかえて、えーっと、一日二日三日って指おって数えてました。なんや、それ、あんた、ほんまに・・・。さっきまであんな顔して踊ってたくせに、その子供みたいなしぐさはなに・・・（涙）。途中でなんだか急に音楽が大きく鳴ってしまって、上を見て「まだですよー」って言って（かわいい）、でもそのあと別にたいしたこと言わないのね（笑）。「21日までやってますんで、良かったらまたきてください」みたいな感じ。
- マチネでは、閉まるカーテンのぎりぎりまでひざ着いて手を振ってくれてました。ダンスとしては、マチネのできが大満足だったのかな。ほんっとに会心の笑顔だった。
なんか頭の中くしゃくしゃ。
うちのめされました。
*1:中国の伝説の女神：泥をこねて人間を作った
