『情熱大陸』TBS(3/6)

 向き合ってみました。
 見るたびに胸がヒリヒリして涙がでる。心臓とか脳みそとかに、わさわさと素手でかき回されるような波が立つ。なんでこんな子なん?て涙が出る。
 以下、かなり痛いこと書き連ねます。書かなくっていいようなことばかりなのは承知してるんですが、この番組を見て、真っ先に私の心を揺さぶったものの正体に、今回ばかりは正面から目をそらさずに向かい合おうと思ったもんですから…。逃げないごまかさない、この20歳を見た以上、そうでもしなきゃいられない気分で…。
 でも、イタイです、ほんと(苦笑)。ご用心ください。


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 NYカウントダウンのはしゃぎっぷりとか、成人式で友達をしばいてる時の笑顔がDANCE×3で見せてた屈託の無い笑顔とそっくりで、うん、君は大丈夫、まっとうで普通で感情豊かで、いいよそのままそのまま、ほんとそのままでそのままでいいよ!って思う。これが等身大の姿なんやろうね。はしゃいで甘えん坊で(笑)。

 膝を抱えてスタジオの床に座って、「なに調子乗ってんねって……そんな奴らは蹴散らしてやりたい、誰にも負けたくない、真正面からぶつかりたい」って言ってるの見たら、胃がキリキリしながらも,うん、その調子やで、見ない振りとか聞かなかったことにしたり、そんなことは今せんでええからね(するはずないけど)って声をかけたくなる。でも切ない。こっちの胸がヒリヒリ痛くなる。なんで痛くなるんやろ…。彼は、自分自身との戦いをこつこつやってればいいだけじゃない。とらえどころがない、形の無い世評だとかっていうような相手、またはいろんなシェルターを獲得済みの手強いずるい相手に(戦うつもり無くても)、素手で立ち向かって行かないといけない。それを自分でよーく了解しているであろうさまが伝わって、その覚悟に心が揺さぶられる…。
 リミッターなんて考えられずに、顔を真っ赤にして叫ぶように歌って共演者を巻き込んで行くその情熱と、歌い終わって、放心したようにどことなくバツ悪げにも見えるキョトンとした表情でこじんまりと楽譜の前に座ってる姿を見ると、自分より10歳も20歳も年上の、キャリアも実力もある人たちを前に必死で疾走しないではいられない少年の心を思って、なんて星のもとに生まれちゃったんだろうね、って涙が出る。
 布団カバーに布団をしまいながら「たまりませんね……でも仕方ない」、10年後の自分がこの映像見たら「小さいことばっかり気にしてて思うやろけど……ま、いいっか」ってちらりと諦めに似た表情で笑うの見ても、胸が痛くなる。いろんなこと考え続けないでいられない、生真面目さとひたむきさと、余裕の無さ(by泉谷)に、涙がでる。余裕かまして生きてなんかいられるわけないよね(涙)。その不器用さに、心がわさわさ揺さぶられて痛くなる。

 本人は、やりたいこと、好きなことを一生懸命やってるだけなのに、それが人気とか売れるだの何だのってことに結びついてしまう違和感と、必死に戦ってるのでしょうね。本当に好きなことをずっと続けてそれを生業として生きている人はいろんな分野にたくさんいるんだろうけれど、自分が心底愛してやりたいと思っていることを夢中になって続けていると、オンもオフも人目にさらされるような事態がヒタヒタと背後に迫る。その不気味な居心地の悪さ、そんなこととも彼は戦わないといけない。10年後の自分に向かって、何でもいいから好きなことをしていて欲しいというのは、そんな一面理不尽に見えるしんどい戦いに「負けてたらあかんぞ!」といつも言い聞かせているからかもしれない。「好きなことやってるんやから負けるはずない」って信じて走ってるんやろうね…。うん、負けないよ大丈夫!…でも、しんどいやろうなあ、まだ20歳やのに、ほんまになあ……いや、20歳やからそれで当たり前なんや。それでこそ20歳!でも、その様があまりにピュアで、孤独にも見えて、思わず涙が出そうになる。誰も手を貸せない戦いを始めてるこの子が、愛しくなる。好きなことを一生懸命するのが、こんなに切ない、しんどいことを伴ってしまうなんて、予想もしなかっただろうに、それを受け入れて走ることをやめないこの20歳が、とんでもなく愛しくなる。


 …でも、☆唯高ジャージ☆を寝間着にして、それを「WBの☆」って嬉しそうに見せてみたり、洗濯機を回しながら、週に一回か二回(しか洗濯しない)と言って恥ずかしそうにしてたり、通し稽古の後「今日は嬉しかった〜!」って目を輝かせてたり、何も本人が寝ても覚めてもヒリヒリし通しなわけじゃないもんね。ずっとずっと、もっともっと豊かな感情と体力と知性で、いろんな表情をきらめかせながら走ってるに違いない。それを思うと、その眩しさに、また涙腺が刺激される…。


 生きにくい生き方しかできないんだなあ。そういうみらいくんを、根性入れて応援するしかないな、と泣きながらあほみたいにマジになって決意した夜、でした(照)。


(付記)本当に、遅ればせの視聴でした。予告編を見た直後に予約録画をセットして、何度も確認したくせに、未習熟の機械を触ってるうちに、肝心のところで予約が落ちてたのです。東京楽後、新幹線で家にたどり着いたら、番組始まったのに機械は反応していない。大慌てでいろんなボタンを押し、取説のページを繰り、その間に画面はいい加減なボタン操作で何度も落ちるしチャンネルは変わっちゃうし…、泣きながら格闘しても焦りすぎてらちがあかず、全てをあきらめ、TV前に正座した時には、コウモリ坊やが楽屋で挨拶回りをしてました(汗)。バカバカ…。
 録画を見せてくださった女神様、ありがとうございました!!(泣)