古都?

 出勤のため,いつもの通り室町通をスタスタ歩いていました。この辺りは,中京(なかぎょう)の呉服屋さんのメッカ,たーいへん誇り高きエリアです。大店が並び,同心円状に白生地屋さん小物屋さん染物屋さんなどが取り囲みます。帯屋さん織屋さんは上京(かみぎょう)に分布し,これら着物の総合プロデュース業ともいうべき悉皆屋さんが,その間に点在します。ほんまに古いお店やと普通に西暦16××年創業なんて言ってますし,それぞれ棲み分けも微妙かつ厳然とあって…いやあなかなか大変な世界です…(笑)。


 でも,小栗くんはすごくよかった〜☆
 と唐突に始めましたが,土曜夜に見たABC系ドラマ『古都』を,歩いててなんとなーく思い出したのでした。
 川端康成原作,上戸彩ちゃんが生き別れの双子の姉妹を演じる,テレ朝開局45周年記念のドラマスペシャルです。これまでも山口百恵岩下志麻で映画化されてるんですよね、両方見てないけど。原作は高校の時読んだ記憶はあるものの内容の記憶は皆無(笑)。ともかく,彩ちゃんが二役で演じる姉の千恵子は室町の呉服屋さんに拾われ,妹の苗子は北山の材木屋さんで別々に育つんだな。二人の出会いと苦悩&それぞれの自己確立への道☆ってとこでしょうか,メインテーマは(?笑)。
 小栗旬くんは,劇中で中京の呉服屋さんの次男坊水木真一役,千恵子の許嫁です。それがねえ,もう,はまってはまって,……ズキズキしましたのですよ…(変な日本語)。
 オフィシャルサイトは、http://www.tv-asahi.co.jp/koto/。キャストに小栗くんの写真もあります、好青年な詰襟姿がステキ*1


 小栗くん,京都弁もなかなかに自然でびっくりしましたが,それよりも醸し出す空気が,もう中京のぼんそのもので*2惚れ惚れしました。おっとり優しく時に些か神経質という,「文弱」を絵に描いたような彼の「ぼん」ぶりは,もうイメージ通り!特に,千恵子が自分の店の反物を選ぶ時に側に座ってるその居方なんて,お兄さんとの微妙な距離感を含め,膝頭を打つくらいにきれいな位置どりでした(ため息)。で,千恵子が普段と違う派手な色目の反物を選んだのを目にして,それを少し気にかける微かな空気で(露骨に人にはさとらせません京都人は:苦笑)「珍しね……」と微笑むんですよ*3,いやあ,もう…。

 私が小栗くんを初めて映像で見たのは,ファイアーボーイズの放火犯役ですが,その時のキリキリ研ぎ澄まされた演技もゾクゾクもんでした。栄光と挫折なんていったら「ひとこと」で片づいちゃうんだけれど,太陽と暗闇との間で心をすり減らしていく繊細な青年ぶりに,いやぁこの人うまいなあ,と感動したの思い出しました。『古都』での小栗くんも,育ちの良い優しい「ぼん」というだけでは、中京の屈折率高めの空気*4 *5にそぐわないところを,彼はその癇の強そうな美貌と微細な表情でうまく体現しておられましたね。

 細かな状況設定,何で二人のデートがいっつも東福寺なん?遠すぎるやん☆とか,上京の織屋の息子と待ち合わすのに,わざわざ宵山にあんな橋のたもとて、あり得んやん!とか,宵山に室町の娘さんがそもそも町内離れられるのん?とか,つっこみどころは満載でしたけど(原作どうなのかな),小栗くんがすてきだったので,いいです☆もう少し出番が多ければもっとよかったけど…。


 以下、いつもの妄想です。

(続き)

 これ,未來さんでもきっとむっちゃはまりますよね☆。生き別れの双子ならなお良いです(笑)。かたや中京の繊細で心優しきぼんぼん,レゾンデートルと戦います;かたや北山杉に登る日に焼けた青年,人生に信念が有ります。または…(あイタすぎるので強制終了…)。わー見たいみたい。着物すがたでも詰め襟の学生服でもチルデンセーター*6でも,…ズキっときれいでしょうねえ。
 すみません(苦笑)。

*1:桐さんのコメントで「ごくせん」の学ラン姿を写真で見た記憶が蘇りました:ずいぶん違う☆

*2:私の主観です,言い訳

*3:もう少し台詞あったように思うけど記憶が不確か

*4:またまた主観ですこれ

*5:いえ周りに中京の人間が各種いるので遠慮がちに…笑

*6:モンさんの日記参照:id:mon-chan:20050205#p1