『A-A'』(小学館)

先日、桐さんに薦めちゃったので、昨日自分でも寝る前に読み返しました。
私の手元にあるのは、小学館文庫本ですが、ここに収められるのは、主に、一角獣と名付けられた人工改良種の少女や少年を中心に展開する物語数種です。宇宙が舞台になるSFですが、登場人物の人間くささと切なさは、ポーやトーマに通ずる美しさです。
この中に、「X+Y」という前後二編の作品が有ります。主人公はタクトという一角獣種の16歳の少年。とっても華奢で髪にユニコーンの痕跡見たく赤いメッシュが入っています。一角獣種の特徴は、感情表現が成熟していないこと、身体のバランスが悪くてすぐ転んだりすること。この少年もそうで、感情を理解したり表したりがうまくできず、強く愛する対象に対して、過度に感情を共鳴させたり自己を喪失したり、ともかく身体のみならず、感情のバランスをまま失います。ほとんど笑いませんが、時にあまりにも無防備な涙を流します。自分の事を三人称で語ります・・・。
その少年が、少しづつ自分を表現し出します。感情を解放させていきます。彼の周りが共鳴を起こします。読んでるこちらもそれに巻き込まれます。
それにしてもこれが1983年の作品だなんて、ほんとにびっくりします。未來くん生まれてないよ(苦笑)。

はい、ミライカテゴリーは、強引です。


【以下 続き】
我ながらもう笑うしか無いのですが、この少年が、FILTの未來さんに重なって困りました。望都ワールドと未來ワール、完璧に軌を一にしちゃったよ。どうしよう・・・。
自分の感情をコントロールできないのに、その強い波長に周りがどんどん共鳴を起こし事態が動き出す。その核心にあって、身体バランスの悪い未來さんというのも、一度見てみたいです。脳内ではすでに変換済みですが(苦笑)。