とうとう『艶光四射歌舞團』!

行ってきました。あっという間の72分でした!
冒頭からベッドシーン、というか屋外砂浜だったので何つうのかな〜、知りませんが、まあ、そういうドキドキのシーンで始まりました。ちょちょっとセクシー、でもいやらしくない、いえ寧ろ可愛くメローなラブシーンです。で、主役の陳煜明くんと恋人の鍾以慶くんとの愛とすれ違いを描く、重要な場面でもあります(後でわかるんだけどね、同じラブシーンが繰り返されるから)。
うーん、この映画についてネタバレ関連をどう扱うべきか今ひとつわかりませんが(台湾でもこの先上映予定無いし、日本に来るかどうかもわからない)、余り激しい暴露じゃない程度に、ちょいちょいストーリーにも触れてくことになりましょう。

  • 映像と感想

背景にあるのが、死の儀礼を巡る台湾の伝統的風習で、その核心にいる道士蕭薔葳が主人公、恋人の死を契機に、最も自分らしい鎮魂の儀式を同志*1達と模索し、その死を乗り越えていく、というのが基本的なコンセプトでしょうか。スクリーンに溢れる、台湾の二つの風俗ー伝統的葬礼の場&ネオンと女装のクイーン達の踊り唱う野外の舞台ーその二つを、しおれて涙する薔葳と美しく着飾り毅然と唱い踊る薔葳が交錯します。
幻想的な映像なんだけれど、随所に笑いを誘う場面ははずせません。でも、その後に来る優しい同志達の言葉に、私なんかはマジで泣いちゃいました。位牌を強引に分けて来ちゃった薔葳の心を汲んで、踊り子仲間が位牌に声を掛けつつ鎮魂のためのステージに立つんですが。そのセリフがちょっと滑稽でモノ悲しく、泣かせます。着飾った皆の真ん中で、1人チェックのシャツなんていうホント普通の男の子の格好をした薔葳がつーっと涙を頬に伝わす場面などは、私の中で the Best of Filmです。
それから、ママさんがマイクのテストや舞台冒頭で「さあさ皆さん、艶光四射歌舞團の始まりよー、一緒に永遠の天国にさあ行きましょう」と繰り返し叫ぶ艶やかなフレーズ、これも胸に応えました。
この映画、もう少し時間があったらなあ、とか(後1時間、いえ30分欲しい)、昼間の道士薔葳をもう少し描いてくれたらなあ、と思わないではなかったですが、ともかく登場人物みんながチャーミングで、もうそれだけで夢中になって見ちゃいます。ほんとに全員、愛しい愛しい。やっぱりドラマや映画に俳優の魂って大事よね…。
で、なんとなんと、本編終了後、監督さんと主要俳優さん達が登場しての挨拶とプチ座談会が開かれたんです!
開始前にそのアナウンスが流れ、もう私は完璧に会議遅刻を決意しちゃいましたね!だってねー、そりゃそうでしょうよ(笑)。まあ今日の会議は私はお客さんだし、会場にそれとなく鞄なんか置いて来ちゃったもん〜、遅れて入ってもまあ誰も気にしないべ、と簡単に思った自分に感心。なんだ、できるんじゃーん(笑)。

  • 舞台挨拶&座談会!

舞台挨拶、もう最っ高でした。ぞろぞろニコニコ入ってきた主役の陳君や、踊り子仲間の麗麗(馬翊航)璐璐(頼昱琦)胖妞(王明彰)という男の子たち。もうほんっと普通の格好で、手に手にずた袋や学校行きの鞄みたいのをぶら下げて(誰か保管しておいてやれよ:笑)、手を振ってね、お辞儀してね、かーわいいよー。
まず、監督の挨拶、その後、主役の陳くんの挨拶です。ほんっと生き生きと話します。「素敵な脚本で、それに魅了されて頑張りました。道士の儀式もちゃんと勉強したし、台湾語も、歌も、踊りも一生懸命習いました。歌、全部僕たち自分で唱ったんですよ〜」って。歌、本当に上手だったもん!拍手拍手!
その後、馬くん、頼くん、王くん(多分この順)のやっぱり元気な挨拶。台湾の少年達って物怖じせず生き生き喋るな〜。この3人は現役台湾大学生ってのは知ってたけれど、それだけじゃなくて高校の同級生ってことも判明。馬くん「花蓮高校でーす」なんてガッツポーズしちゃって(きゃーわいいー)。
主役の陳くんは長身八頭身の完璧なスタイルなんだけど、王くんを除く2人は(いえ王くんは、あの、150キロくらいあるような巨漢で…)小柄でくりくり表情の良く動く、ほんと普通の大学生です。思わず顔がほころびます。みんなお肌綺麗だわ。ちょっとお化粧もしてるね?ふふ、みんな仲良しだねー!
座談会では、今日で5回目ですなんてファンもいて、結構ディープでローカルなファン層を獲得していることを確信。質問はやはり伝統的習俗の扱いに関するものが多かったかな、ていうか1人いた西洋映画人風の聴衆が(すごい言い方:笑)通訳付きで長時間そればかりを突いたってかんじ。私はもっと彼らの普通の肉声聞きたかったんだけどな…。

  • 会場の外でー人生変わったかも

舞台挨拶&座談会が終わって会場の外へ出たら、みなと気さくに記念写真を撮りあう4人の姿が目に入りました。ドキ!私も折角会議ブッチして来てるのに話したい、写真撮りたい!!でも一歩が出ない(涙)。きまじめ堅物四角四面の我が身を呪いました。だめだだめだ…。未練がましくじーっと楽しそうな集団を見てると、優しそうな笑顔の頼くんがこっちを見てにっこり笑います(!)えーーーん。思わずトイレに駆け込んだ私です。なんでそこでトイレに行く!?!訳わかりません。もうどうしたらいいのかわかりません。
トイレの中で、ここから出てまだみんながいたら勇気を出そう!と決意し(震えつつ)、ゆーっくり時間をかけて手を洗い外に出たところ、スタッフが「みんな早くそろそろ時間よ」と声を掛けてる最中でした。どきどきして近づくと、他の出演者がもうエスカレーターに歩き始める中、主役の陳くんだけが、ファンにつかまってサインをしたりしてます。ドキドキドキドキドキドキ。思い切って声を掛けました。何を話したかは秘密ですが(たいしたこと何も言ってない)、少しお話もしました、演技素晴らしかったですっなんて言いました。ミルクたっぷりのキャラメルみたいにツヤツヤお肌の陳くんは、ニコニコ笑って「ありがと」なんて言葉を返してくれます。で、写真撮りましたよー(涙)!もうコチコチ大緊張で震えてる私は、論外の不細工ですが、陳くんはいやあすんごい美少年にちゃんと写ってます。脱力、放心…。
えーっと、これ私にとってはすごい「突破」です。人生一世一代の勇気です。できるじゃん、私にも!なんて思った12月1日。会議さぼれるじゃん、なんてのも含め(笑)。
結局単にミーハーか、とは言う無かれ(願)。いろんな事々に、人間ってのは少しづつハンドルを切るもんです(笑うとこかも)。きっかけは何かなんて、この際どーーってこと無いんだよ。最初感じた綻びが少しづつ辻褄合わせていくことってあるもん(汗)、そんなもんだべ…(たぶん)。

*1:俗語では同性愛者をいう。